文学学校

 小説を書きたい人はどこで学ぶかということですが、昔は「同人誌」とか、文学
学校で、そのうちにカルチュアセンターの文芸講座が隆盛となり、いまは大学文芸
学部の創作学科の時代なのでしょう。もちろん、こうしたところで学んでも、作品が
世にでるのは、ごく一部の人であります。
 本日の夜のNHKテレビ番組を見ておりましたら、「大阪文学学校 作品合評会」の
様子をとりあげていました。かっては、全国に文学学校と名前がつくものがあったと
思うのでありますが、今も活動を継続しているところは、いくつもないでしょう。
 東京では、新日本文学会が「日本文学学校」というのをやっていました。今、手元に
ある「新日本文学」には「日本文学学校通信教育募集要項」というお知らせがのって
います。入学金5千円で、受講料は48千円だそうです。通信制ではない「文学学校」
もありましたが、この号では、生徒の募集案内はないようです。ここから巣立って
新日本文学」などに作品が掲載されるのが、まずは登竜門となったのでしょう。
 大阪文学学校は、「小野十三郎」さんが校長さんとして東京なにするものぞという
活動を続けていたのを記憶します。小生が「大阪文学学校」に一番親近感をもった
のは、川崎彰彦さんが新聞記者をやめて大阪で暮らすようになり、この文学学校で
先生をつとめていた時でありました。大阪からはるかに遠く小生の住む町の図書館に
大阪文学学校」でだしている文芸誌「樹林」というのを見たときには、すこし
驚いたものです。特に、こねがあっておくられてきたわけではないのでしょうから、
すごいエネルギーを感じたものです。
 新日本文学は、すでに解散してないのですが、「大阪文学学校」がなんとか続いて
いる様子をみて、このなかから、文学賞にかかるような作家がでてくればいいのにと
思ってしまいました。そんな甘いもんではないと思いつつも応援したくなることです。