このところ図書館から借りる本はみすず書房からのものが多くなって
います。このまちの本屋さんでみすずの新刊を手にする機会はほとんどあり
ませんので、それだけ図書館という存在はありがたい。他にあまり借りる
人がいないというのも、当方にはありがたいことで。
そんなわけで借りてきた新刊は、「刃物たるべく」という本です。
著者の土田さんは、土田刃物店の三代目ご主人で、年に何度か「なんでも
鑑定団」で見かける人であります。
今では姿を消しつつある大工道具つくりの名人たちがつくった道具を販売
しているのですが、この本の表紙に掲載のハンマーもそうした道具なので
しょう。
このハンマーのことを「狂い直し用槌 長谷川幸三郎作 昭和40年代
後半」と紹介しています。なぜ、この槌が、この本の表紙を飾るのでありま
しょうか。
それを知るためには、300ページほどのこの本を読む必要があるようです。
弘法は筆を選ばずといわれますが、そんなことはなくて、すぐれた職人は、
皆さん良い道具(高価なものではなく)を求めるようであります。