月初めの楽しみ

 月が変わって、出版社のPR誌が届きました。まずは目次を見てから、

巻末の新刊広告をながめることになりです。何誌かになりますと、内容

のボリュームが大きいので、なかなか読むことができなかったりです。

 そんなことで、ちいさな文章に目を通しますが、このところ楽しく

読んでいますのは、新潮社「波」の編集後記です。

 今月は音楽と映像を話題としていました。バッハの「ゴールドベルグ

変奏曲」が流れる映画をずいぶんと見てと記したあとに「満鉄小唄」に

話題が転じます。

 映画「日本春歌考」では、この曲を吉田日出子さんが歌う場面に胸が

震え、「懲役太郎 まむしの兄弟」で川地民夫が、「日本暴力列島 

京阪神殺しの軍団」では梅宮辰夫と小林旭が歌ったときもまた心動かさ

れますとありました。

 これらの映画がかかったのは60年代後半から70年代前半でしょうか。

この曲がとりいれられた時代のことを思い浮かべることです。

大島渚の「日本春歌考」は見ていても不思議ではないのですが、たぶん

見逃していますね。「まむしの兄弟」シリーズの何本かは京一会館で見た

ように思います。

 この編集後記をお書きになっている方は、当方よりも相当にお若いは

ずでありますので、これらの映画をどこで見たのでありましょう。

 それにしても、ここに名前があがっている方々は、みなさん姿を消して

いて、健在のはずの吉田日出子さんも病のために休業中で、さびしいこと

であります。


(156)満鉄小唄(梅宮辰夫)