図書・波・みすず

 お休みが続いてぼーっと過ごしている時に、「図書」「波」「みすず」が届きま

した。各誌に掲載の新刊案内に眼を通して、目次を見るくらいで終わっており

ました。これから気になるものを読んでいくことになりです。

 「図書」でいえば石内都さんの「ベビーブーマーの訃報」というのが気になり

ました。ちょっと流し見したのですが、頭のところは、次のようになっています。

「昨年は訃報があいつぎ、一年間で親しい友人、知人が12人も亡くなった。

それも同い年かひとつ年下の人が大半だ。私はいわゆる戦後の第一次ベビー

ブーマーの世代、1947年生まれである。」

 当方は石内さんよりも3学年ほど下でありまして、当方が中学に入った時に

は卒業していてあまり接点のない先輩世代であります。それでも第一次ベビー

ブーマーというくくりとなりますと、石内さんは頭で、当方は尻にあたります。

 当方は脳天気に、これから10年後にもこのブログをやっているだろうかと

思ったりしているのですが、なかには10年後に生きていることに自信がもてな

いという方々も多いのかもしれません。

 「波」は、小林信彦さんの文章が二本掲載です。「追悼 志村けんさん・

宍戸錠さん」とありました。宍戸さんのは「日本の喜劇人」収録のものを再録

したものとなります。

 志村さんについては、新しい文章ですが、「『決定版 日本の喜劇人』最終

章・改」ということになります。

「 さて、『日本の喜劇人』という本をまとめていながら、志村けん(1950〜

2020年)について、全く触れていなかった。

 というのは、初めて本を執筆したころ、この人は私の視界に入っていなかっ

たという事情がある。」

 このような書き出しで3ページにわたって書いているのですが、当方などは

自分の眼で見て判断するよりも、権威者の評価を鵜呑みしたりするので、小林

さんが、これまで志村さんのことをあまり取り上げていなかったことから、当方

も軽く見ていたように思います。 

定本 日本の喜劇人

定本 日本の喜劇人

 

  「みすず」には小沢信男さんの「賛々語々」111回が掲載です。「みすず」は

一年11冊ですから、連載がはじまって10年ですか(体調を崩して一回休載し

たことがありました)。

 今月は「初のぼり」が季語です。発句となっているのは小林一茶のものです

が、江戸時代にはすでに、このような風景があったのか。

 「 江戸住や 二階の窓の 初のぼり  一茶 」

 今でも安普請のアパートが並んでいるところを通りましたら、見かけそうな

風景でありますが、安普請のアパートが姿を消していて、街歩きしても小さな

鯉のぼりを見かける機会は少なくなっているようです。