買い物に出たついでに、ブックオフへと引き寄せれることになりです。
昨日に小林信彦さんの新刊を購入しましたら、それが平野甲賀さんの装丁
でありましたので、なにか甲賀本をと思って、足を運んだのであります。
ブックオフで見つけることのできる甲賀本にはどのようなものがあるの
かなと思いましたが、椎名誠さんのものや小林信彦さんのものであれば
文庫にもなっているので、その線で探してみようです。
「甲賀にひかれて 眼でおう本は」(中島みゆきさんのメロディにのせて
であります。もちろん元歌は黄砂。)と口ずさみながら棚を見ることにな
りです。
何冊か見つけることができまして、購入しましたのは一番きれいで豪華
な本でありました。(この本は1991年の本でありますので、1985年6月に
刊行の「平野甲賀装幀の本」にはもちろん収録されていません。)
当方は偏見がありまして、ずっと小林信彦さんの本を読んでいないという時
期があり、新潮文庫の喜劇人とか、ちくまのコラム集などは熱心に買っていた
のですが、小説家としてはどうもねという感じで、「夢の砦」のほかはほとん
ど読んでおりませんでした。
これから先にも小林信彦さんの小説を読むという楽しみが残されているわけ
です。本日購入の作品ももちろん未読でありました。1991年ころの新潮社は、
「純文学書下ろし特別作品」というのがシリーズでありまして、次々に話題作
がでていました。
その流れのなかでいきますと、小林信彦さんは純文学系なのかなと思ったり
していました。もともとは純文学畑の人でありましたが、そこではうまくいか
ずで、大衆小説で売れたというような認識でした。今よりもずっと純文学とい
う言葉が重たかったのですね。
それから30年がたって、その昔の純文学という言葉にむかしほど敷居の高さ
を感じなくなっていまして、いまであれば小林さんが純文学畑の人であると
いっても、誰も異を唱えないでしょう。
ちょっと考えてみればわかるのですが、小林信彦さんの装幀といえば、平野
さんが手がけているものが、かなり多いということがわかりました。まだまだ
甲賀にひかれての楽しみは残ることになりました。