人ごみを避けて

 外出するにあたって人ごみを避けた場所ということになりますと、これまで

外国からの観光客さんがどっとおしかけていた場所が一番であります。

これで大丈夫かということはさておいて、空港とかそれの近くにあるアウト

レットモールはひどい状態とのことでした。

 ちょうど、オーブンのなかで使用する温度計を探しているものですから、

アウトレットで台所用品を扱っているところで見つからないか、行ってみること

にしました。ずいぶんと昔にピース天火というガスコンロの上において使う

オーブンがありまして、それにはちゃちな温度計しかついていませんでした

ので、オーブンのなかに入れる温度計があったのですが、その天火をお役

ごめんとするときに、その温度計も処分したらしく見当たりません。たぶん、

30数年も前の話でありまして、オーブンというと本格的なガスオーブンしか

なかった時代でありました。

 久しぶりにピース天火を使ってお菓子とかパンを作っていた頃のことを

思いだしまして、ピース天火で検索をかけてみましたら、ななんと我が家で

使っていた天火がめちゃくちゃの高値で取引されているのを発見です。

なれたらそれなりでありますが、電気オーブンレンジを購入したら温度管理

がピース天火よりも格段に楽でありまして、天火のほうは廃棄したのでした。

まさか、この時代になってピース天火を中古で求める人がいるとは思っても

みませんでした。(たしかに、電気をできるだけ使わない生活をこころがけま

したら、この天火はいいですね。)

 あの天火は、まったく原始的なつくりでありまして、故障するというような

部品はありませんので、最近の電気製品とくらべますと、耐久性は抜群で

ありまして、それが時代を超えることになっています。電気製品であれば十年

も経過したら、故障したら買い替えとなりますが、ほんと壊れない道具を使わ

なくてはいけないな。その昔に使っていた天火の写真はどこかにないだろう

かな。

 まさにオールディーズでありますね。そんなわけで、最近になってまた読まれ

ているという井上ひさしさんの「十二人の手紙」を、物置の文庫棚から引張り

だしてきて手にすることになりです。元版は1978年ですから、ちょうど我が家

ではピース天火を使い始めたころの小説集となりです。

 当方は書簡小説というのが好きでありまして、井上作品でしかも書簡小説

というのがこれを読むことになった理由でありました。しかもこの小説集は

あちらこちらに仕掛けがたくさんでありますからね。

 本日はとばしながら、このなかの何作かを読むことになりました。当方とし

ては珍しいことに、これは読んだことがあるぞと思うものがありました。

十二人の手紙 (中公文庫)

十二人の手紙 (中公文庫)