本日の件名はディーノ・
の「Lで始まるもの」のいただきとなります。イタリアの奇妙な味わいの作品を残した
は、今では岩波文庫でも作品を読むことができるようになりました。
「Lで始まるもの」という作品は、河出書房新社からでていた「七人の使者」
に収録のものでありますが、Lで始まる言葉がいけないせいか、岩波文庫版の
「七人の使者」からは除かれてしまいました。ということで、元版である河出の
モダンクラシックでしか(その他の版にも収録されているのかもしれませんが、
これは未確認)読むことができないと思われるものです。
12ページほどの小品でありますので、すぐに読めてしまうのですが、これの
書き出しは、次のようになります。
「シストの町に着き、年に二、三度は投宿するいつもの宿に入った材木商の
クリストフォロ・ショローデルは、気分がすぐれないので、すぐに床についた。
それからもう何年来の知り合いの医者のルゴージを呼びにやった。医者は
やってきた、なんだか困惑しているような様子だった。」
この「気分がすぐれない」というのが、Lで始まるものであります。これのあげ
くに、終わりのところでは、このようになっているのでした。
「やがて宿屋の戸口に出て、それからのろのろと広場を横切りはじめた。
何十人という人々が彼の行く手の両脇に立ち、彼が近づくにつれてあとずさり
した。広場は大きく、横切るには長かった。こわばった動作で彼は時折り鐘を
振ると、鐘は澄んだ、にぎやかな音をたてた」
このようなくだりを読みましたら、「Cで始まるもの」というのが思いついたの
でありますよ。
それにしても、この状況を打破するためには非常事態に関する法律が必要で
あるということをのたまうトップがいることにはあきれざるを得ません。この事態
をなんとかしなくてはというのには、だれも反対しないでしょうが、それに乗じて
このようなことをいうとはです。
すくなくとも、当方は現在の日本にとっての非常事態は、ほとんど信用できな
い人たちが国を仕切っているという現実にあると思うのでありますが。