不要不急の読書

 本日は朝起きたら雪となっていました。3月に入っての雪であります。

 2月でしかも戒厳令のような命令ならぬ要請がでているのを見聞きしますと、

2月26日のことが頭に浮かんでくることです。もちろんコロナでは軍は動かずで

あります。

 朝に除雪をして、午後からは雪道を長靴をはいて近所のスーパーに買い物へ

といくことになりです。ちらしを見て、気になったものを購入のためですが、それは

マスクでもティッシュでもトイレットペーパーでもありません。それにしても、皆さん

煽られるのが好きなようでありまして、おいおいそんなに踊らされて大丈夫かと

思ったりしてです。

 本日は朝からパン作りでありまして、朝に仕込んで、夜に焼くという一日かかり

ですが、大半の時間は発酵に費やされますので、大きな器にいれてそれを毛布な

どでくるんでおけば、何も手をかけることはありません。

 そんなことで、その時間を利用して本を読むことにです。一番役に断たない本と

いえばマニアックな趣味に関するものですが、この非常時にそのようなものを読ん

でと叱られそうでありますね。

 しかし大好きな趣味の世界について書かれた本というのは、とっても興味深い

ものでありまして、それが当方の知らない世界であったり、当方の好きな文筆家が

書いているものでありましたら、なおのことです。

 本日に読んでいたのは四方田犬彦さんの「女王の肖像」という切手に関するも

のとなります。図書館から借りた本にですが、これは面白くて、買ってもいいかなと

思います。

女王の肖像−−切手蒐集の秘かな愉しみ

女王の肖像−−切手蒐集の秘かな愉しみ

 

 表紙には女王の横向きの肖像が描かれていますが、これはペニーブラックという

英国の切手のヴィクトリア女王の横顔になりです。

 この本に収録の最初の文章はその「ペニー・ブラック」という切手についてのもの

ですが、本のタイトルとなっている「女王の肖像」という文章は別にありまして、その

文章で取り上げられる女王というのは、なんとヴェトナム最後の王妃をあしらった

ヴェトナム帝国の切手についての話題でありました。

 ヴェトナムといえば、当方の記憶に残っているのはヴェトナム戦争が始まってから

でありまして、それ以前に王国があったのは山川方夫さんの「安南の王子」という

小説のタイトルにあるから知るのみです。(小説はヴェトナムの世情とはまるで関係

なしですが。)

 それにしても、切手蒐集の世界というのは、つくづく奥が深いことでありまして、

金持ちには金持ちの蒐め方が、貧書生にはその懐具合にあわせたやり方がある

ことでありということがわかりました。

 これは書物の世界にも共通でありますね。