眠っている虫を起こすような文章は、目の毒であります。特に12月はなんと
なく気持ちが大きくなりますから、バイトじいさんは次のような沢野ひとしさん
の文章を読んではいけないのです。「本の雑誌」12月号 438号にあったく
だりです。
「最近発売された万年筆はボールペンの影響からかペン先の硬いものが
多く、昔のモンブランのように弾力性のある柔らかさは皆無になってしまった。
以前古道具屋で何本かの古い万年筆をかったことがあるが、中のインクが
固まって吸入のピストンが動かなくなったりと、無駄な買い物ばかりして懲りて
いた。
だが銀座一丁目にヴィンテージ万年筆店があり、完全保証付きのアフター
ケアもあるというので、足を向けてみた。」
万年筆なんて、本当に気に入ったものが一本あればいいのですが、そうだと
どうしても一本だけを酷使しますので、何本かをじゅんぐりと使うことになります
が、これがなかなか同じような二本目がみつからないのですね。
沢野さんは、「ユーロボックス」というヴィンテージ万年筆店に足を運んてみた
とあります。
「前々から手に入れたかった六十年代のモンブランの72,74とい二桁シリーズ
を何本か手にした。この時代のペン先は軟らかくインクの流れも好みである。
六十年代シリーズの最大の特徴はペンにフードがかかっていることである。
ペン先をそのまま剥き出しにしないのは、軟らかいペンの跳ね返りを抑えるため
に独特な形をしているからだ。二桁シリーズのウィングニブはメンテナンスしや
すい構造で、モンブランの中でもっとも完成度の高いペンとの呼び声が高い。
60年代は田舎の高校生でありましたので、最初の万年筆といえば国産のも
のであって、そのあと中国製とかを使ったりして、モンブランを購入したのは仕
事についてからでありました。
当時は友人たちとはがきで連絡を取り合っていたので、細字のペン先で小さ
な字ではがきにびっしりと書くことができるペンというのが選考の基準でありま
した。
外国製は、太い軸のものほど細身のペン先で、小さな字を描くというのは
間抜けな感じがして、これは使えないと思われました。(値段も高いし)
沢野さんの文章を読みましたら、おすすめのイカペンなどを検索してみたりです。
オークションサイトものぞいてみましょうかしらん。