文具の話

 紙でできた手帳類が売れ行きがよろしくないというと、筆記具にも影響があるので
しょうか。いまはボールペン、サインペンなどが筆記具の主流となっていて、万年筆
は普通に使われる筆記具ではなくなっているようです。当方が中学生の頃には、当時
の中学生向け雑誌4月号付録といえば、万年筆でありましたですね。
学生服の胸ポケットにミニサイズの万年筆をさすというのが、中学生になったあかし
のような雰囲気でありました。最近は、そんなは時代錯誤といわれます。
とはいっても若い女性向けに、いろいろな色のインクを用意して、格安の万年筆が
売られています。
 コレクターではないものの、古くからの万年筆愛好家である当方は、やはり書味が
よろしくないものには手がでないことです。そんなふうに思っていましたら、先月に
放送された「瀬戸内寂聴」さんのドキュメンタリーで、瀬戸内さんが執筆する様子を
目にすることができました。
 最近はパソコンなどを使って執筆する作家さんが多くなっていると思われるのです
が、瀬戸内さんは原稿用紙にむかって、太めのモンブランを使い、いかにもかっての
文士というスタイルでありました。太字はインクの処理が大変だから原稿用紙は汚れ
るはずと心配するのですが、もちろんこのときペンを握る手の下には吸取紙がおか
れていました。
 あの万年筆は、ボトルからインクを吸い上げる方式であるけど、インクのボトルは
どうなっているかと録画した番組をなんどか見直しをしました。万年筆で書いている
ところのそばには、いつも特徴的なインクボトルがうつっていました。
モンブランは、価格はともかくとして、その昔と同じ製品が販売されているというの
はよろしいことです。(モンブランも安い価格帯のものは姿を消していますが。)
 当方がもっている万年筆をならべて写真にしてみました。現在もつかっているも
の、すでに壊れてしまったもの、ペン先の出来が悪くて使う気分にならないものと
いろいろであります。

 数ヶ月前までつかっていたボルドー色のモンブランの軸が折れてしまったため、
いまはパーカーとパイロットの万年筆を使っているのですが、パーカーは当方が好き
であった「washble royal blue 」というインクが姿を消してしまって、やむなく
「blue」を使っていますが、どうも雰囲気が違うのですよね。