画期的な旅行となり

 関西から戻りましたが、今回のはめったにない旅行となりました。まあそれほど

たいしたことではないのですが、今回の旅行では一冊も本を買うことがなしでし

た。これまでは必ず新刊本屋と古本屋によって、何冊かの本を買っていましたのに、

どうしたことか、今回は本屋に立ち寄ることもほとんどなしでした。これはどうした

ことかでありますが、まあ時間がなかったということにつきますね。買っても読むこ

とができないのでありますので、買わないほうが家庭内は平和でありましょうか。

 そんなことで、今回の旅行は行きも帰りも同じ文庫本「南洋と私」を読んでおり

ました。

南洋と私 (中公文庫)

南洋と私 (中公文庫)

 

 戦前にあった日本の南洋統治について調査をするのですが、これを読んでいます

と統治の仕組みが、北海道と似ているのではと思ったりです。どちらもある意味外地

でありますからね。

「島には支庁長というのがいて、小さいところは出張所長。官庁(支庁)が一番で役場

は下っ端だと思った。支庁が一番えらいからね。高等官とか判人官とかね。高等官に

はなかなかなれない。」

 これはサイパンで子ども時代をすごした女性からの聞き取りにあったもの。

支庁というのは、北海道がエリアをおさめるために分割した単位で、市町村という単

位を関接的に支配していました。戦前は、地方自治というのは名目だけに近く、官選

の町長はほぼ北海道庁に席をもっているのでした。それにしても高等官というのは、

地方の場合、どこからがそうなのであるか、これは縁遠くなっていることもあって、

感覚的にわからなくなっています。 

 戦前のこうした仕組みは戦後に解体されたことになっていますが、いまでもその

精神は生きて官僚制度を支えているようであります。最近に官僚j志望の学生が減って

いるのは、戦後の解体がここにきて効果がではじめているのでしょうか。