なんでもできた人

 本日のニュースで、今月7日に和田誠さんが亡くなったとでていました。

 体調を崩して入院されていたとのことですが、いつまでも若々しいと思って

いた和田さんも病気には勝てなかったか、残念。

 和田さんは若くしてデザイナーとして有名になり、最初は本業のデザインで、

フリーになってからは装幀、エッセイ、映画監督とマルチな活躍でありました。

和田さんにあこがれた人は、たぶん枚挙にいとまなしでありましょう。

当方は、まるで絵をかくのはだめでありましたので、それで和田さんに影響を

受けることもなく、道を誤ることもなしで、ただただ和田さんが生み出したもの

を楽しむことになりました。

 先月に読んでいた南伸坊さんの本を見ていましたら、ちょっと絵が得意で

あったがために「おれは和田誠みたいになる」と思って苦労する話が綴られて

いました。

 それほどに和田誠フォロワーは多くいるものと思われます。

 拙ブログでも和田誠さんのことは、何度も話題にしているのですが、当方は

ほとんど進歩していませんので、10年ほど昔の記事を読み返しています。

vzf12576.hatenablog.com 当方がなじんだ和田誠さんの作品といえば、本の装幀が一番でありまし

て、1993年にリブロポートからでた「装幀の本」は大好きな一冊です。

 丸谷才一さんの本は、特に和田さんとの結びつきが強いように思いました

が、死後に刊行となった「丸谷才一全集」は、別な方が担当となり、ちょっと残

念に感じたものです。

 和田さんは、装幀に強いこだわりがあって、文庫本を覗いては、最後まで

自分の装幀本に書物のバーコードを印刷することを許さなかったので、

著者が、自分の本は和田さんの装幀でというと、よほどの大物でなければ、

編集者はそれは勘弁してとなったのでありましょう。

 どちらにしても、装幀にバーコードの印刷を認めないという、今や絶滅危惧

となっているデザイナーが亡くなっって、これからの新刊で書籍の帯や、そうで

なければ取り外し可能なシールにバーコードがプリントされている本を見かけ

る可能性は、限りなく低くなりました。

 和田誠さんが亡くなったことで、これが一番残念なことかもしれません。

 本日は和田さん「装幀の本」を開いてみます。

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