「ヒトラーの時代」

 池内紀さんの「ヒトラーの時代」を読み継いでいます。本日は雨模様の一日

となりですが、雨の合間にすこし散歩にでたのをのぞいて、ほぼ自宅にこもって

いることとなりです。お天気が悪いせいもあって、気温が低くて、寒いことです。

ちょっとストーブをつけて、本格的な冬にむけての試験運転となりました。

 池内さんの「ヒトラーの時代」は、時代を描いていることになっていますが、

もちろん歴史家による歴史書ではありません。

 ヒトラーが政権を奪取するにいたった敬意とか、そのとりまきの振る舞いに

ついて書かれていて、どちらかというと、現在の日本人に警鐘をならすという

ことを目的にしているようです。その徹底さにおいて、到底日本人は、ドイツ国

に及ばないのでありますが、それでもこの先にあるのは、そうとうに窮屈な社会

であるようです。

 本日に読んでいたところには、「ヒトラー・ユーゲント」についての章がありま

した。書き出しは、次のようになりです。

「昭和13(1938)年8月、ヒトラー・ユーゲントが来日した。東京駅・駅頭の歓迎

の模様が写真で残されている。」

 そういえば、ヒトラー・ユーゲントは北海道にも来ていて、当方の住むまちにも

足を踏み入れているのですね。いったいヒトラー・ユーゲントは何回くらい来日

しているのかと思って検索してみましたら、昭和13年8月からの一度きりのよう

です。この滞在が90日にもなろうというもので、北海道から九州まで各地を視

察したようであります。

 当方のまちにもこのときの写真が保存されているのですが、それは彼らが

視察した工場で撮影した記録写真であります。このときに、歓迎の列にならんだ

かっての女学校の生徒は、とっても素敵だったよとアイドルを目にした少女の

ように、そのときのことを語ってくれました。