本日の件名は読んでいる「市場界隈」に登場する「山城こんぶ店」の若主人で
那覇市第一牧志公設市場組合長をつとめている粟国さんの発言のなかにあった
ものです。
著者の橋本さんは、この粟国さんの発言をぜひとも残したかったのでありましょ
う。それほどに印象的なものです。
そういえば、当方の住むまちにもかっては公設市場というのは、いくつか存在し
ましたが、それらはすべて大手資本のスーパーにやられて姿を消してしまいました。
最後の一つはいつなくなったのか、こういうのがなくなって本当によかったのかと
考えてしまうことです。
ということで、組合長さんの発言の一部です。
「僕は組合長になる前に公設市場の広報を担当していたんですけど、取材や子供
達の見学があると、まちぐわーの歴史を説明するんですよ。自分が好きで勉強して
いたことが、そのときはすごく役に立ちましたね。組合長という役職も、歴史を知ら
ないことには務まらなくて、先輩からは『とにかく歴史を学ばないといけないよ』と
言われてましたね。
沖縄にはやはり、独特の文化があるんですよね。ただ、今は沖縄らしさがどんどん
なくなっているという危機感もあるんです。これは僕だけが抱いている危機感では
なくて、いろんな人が感じているみたいで、たとえば、最近は修学旅行生よりも、
県内の子供たちが市場を見学にくることが増えているんです。」
小学校3年生くらいで郷土の学習がはじまります。NHK教育では、かって「探検
ぼくのまち」という人気番組がありましたが、これはそれのテレビ番組でしたね。
今でも校区に商店街があるような学校は、社会科の時間に商店街を探検して
みようなんて授業があるのでしょうが、このまちは商店街も姿を消しつつあるもの
ね。それでいいのかと思ったら、商店が大手資本との競争に負けても自己責任と
言われてしまいます。
まったく自分で自分の首をしめることになりますね。沖縄には本土の二の舞いに
ならないようにしてもらわなくてはです。