午後から床屋へ

 本日はお天気がよろしくなりました。午前は庭にでて仕事をしようかと思って

いましたが、これは気温が上がりすぎていて、とりやめであります。本日の最高

気温は28度、久しぶりの夏日となりました。

 午後からは近所にある安い床屋へと行くことになりです。最大1時間ほど待つ

ことがあることから、文庫本をポケットに入れてです。文庫本を用意して、これで

いくらでも待つことができるぞと思っていきますと、着いてまもなく、はいどうぞと

いわれることになります。

 本日もそうでありました。わずかにしか読むことができなかったのですが、本

日のポケットの本は、次のものでした。 

子どもの涙―ある在日朝鮮人の読書遍歴 (小学館文庫)

子どもの涙―ある在日朝鮮人の読書遍歴 (小学館文庫)

 

 次の金曜かに、徐さんの公開講座があると案内があって、そのために過去に

購入して読んでいた「子どもの涙」に目を通しておこうと思ったものです。

今では、ほとんど話題になることもない韓国でスパイとして投獄された徐兄弟の

弟さんであります。この文庫がでたのは20年以上も前のことになります。

 今につながる小学館文庫が誕生して、その記念すべき初回配本の一冊であり

ました。

 この本は、京都で生まれ育った徐京植さんが子どものころから親しんだ本につ

いてのエッセイ集でありまして、当方と同年生まれの徐さんだけに、同じような本

を読んでいたりするのですが、当方よりもずっと早熟であります。

 二十年前に刊行となった文庫に寄せた徐さんのあとがきから引用です。

「日本の朝鮮侵略と植民地支配に端を発する百年にわたる両者のディスコミュ

ニケーション状態は、ますます深刻なものになっているように私には見える。・・・

『痛い』とも『悲しい』とも言うすべを知らないままに日本社会における大がかり

な精神的ジェノサイドにさらされている在日朝鮮人の若者たちに、私は本書を

届けたい。そして、彼ら彼女らの真の友人たろうとする日本の人々にもぜひ読ん

でもらいたい。」

 これが書かれた時よりも、いまはさらにひどいことになっているようであります。

 本日に見ていたTVは戦争後に、占領軍の兵隊(米軍の)と結婚してUSAに

渡った女性たちを特集するドキュメントでありましたが、ひとつ間違えれば在日

朝鮮人の人たちと同じようになってしまう危うさがうかがえましたが、USAは

とんでもない大統領が登場するまでは、ほぼ右肩あがりで日本人の地位は向

上していったようです。その女性の一人が、自分の生まれた時代の日本とくら

べるとUSAのほうがずっと封建的でなく、出自も問われないといっていたのが

印象的でした。

 ほんと一つ間違えればです。 

ディアスポラ紀行―追放された者のまなざし (岩波新書 新赤版 (961))

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