「明日の友」を受けて 3

 あわてて藤原辰史さんの「給食の歴史」を読むことになりです。ずいぶんと

前にこれを購入したことを記したかと思いますので、まだ読んでいないのかと

つっこまれそうですが、ほんと読むのが遅いのだよな。

 読まなくてはと思ったのは、このままであれば読む機会を逸してしまいそう

なことと、先日に自分の住んでいるまちの学校給食のセンター化と、それの

業務委託をめぐる反対運動(1970年代なかごろのこと)のことを話題にして

いたことなどのためです。

 学校給食の運営のやり方には、学校ごとに行う自校式、二つの学校がどち

らかで調理する親子式、セントラルキッチンのような調理場から複数の学校に

配送されるセンター方式などがあります。ちいさな単位で運営されるほど

行き届いているとすると自校式がベストで、それは調理規模が拡大されるに

従って作っている人と食べる子どもたちの距離が遠くなることになりです。

 少子化で子どもたちを大切にという世の中になっても、給食のセンター方

式をやめて、自校式へと戻そうという動きが見えてこないのは、残念なことで

あります。(自校式の場合は、学校ごとに調理場が必要になりますからね。)

 空腹を満たすではなく、どのような食材を使ったものを食べるかというのも

給食の目的になってほしいものです。添加物のたくさんはいった加工食品と

カット野菜ではなくてであります。

 そうした意味では、農村地帯にある小規模校は学校給食の優等生が多い

ようであり、中途半端な大きさの町の給食はひどく貧しいかもしれません。

 そんなことを思いながら、「給食の歴史」を読むことになりです。

「明日の友」の対談で、徳永さんから「あなた、反体制だな」といきなりつっこ

みを受ける藤原さんでありますので、この「給食の歴史」でもその立脚点には

揺るぎがありません。

「給食の歴史を研究して何より驚いたのは、全国各地で合理化やセンター方

式に対する抵抗・抗議運動が何度も粘り強く繰り返されていたことだった。

戦後の給食は、完成の『学校給食打ち切り反対』運動のみならず、行き過ぎ

た合理化をめぐる親、とくに二十代から三十代の母親たちや栄養士たちの

異議申し立てとその実現の歴史でもあった。」

 やはり当事者が声をあげるのが一番重要でありますね。このところすっかり

新自由主義的政策(規制の緩和など)に慣れっこになってしまっていますが、

それで世の中がよくなっているのかを、もっと検証しなくてはです。「給食の

歴史」は、批判的な立場からですが、それがなされています。

 あわてて、この本を読んでいるのは、先日にいったバラ公園でみかけた

講演会のちらしのせいでありました。

f:id:vzf12576:20190628144437j:plain

 当方の住んでいる町から二時間ほどのところで、今月21日午後に藤原さんの

講演会があるとのことを知りました。うーむ、これはめったにない機会であるなと

思ったのですが、さて、どうなりますか。