昨日に図書館に立ち寄ったあと、新刊書店で本を一冊購入です。
この新刊がでていることは新聞広告を見て知っておりましたが、小さな本屋で見つ
けましたので、全国チェーンの店であればスルーしたかもしれませんが、ひいきの
辻原登さんのものですから、これは買わなくてはです。
- 作者: 辻原登
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2015/08/25
- メディア: 単行本
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ています。「Yの木」という作品は、「文学界」2014年10月号、12月号に掲載となった
ものだそうです。
当方は「Yの木」というタイトルをみて、「Y市の橋」という絵画と関係があるの
かなと思って手に取りました。そういえば横浜にはY校と称される学校もあるのです
から、Yといえば横浜でしょうと、はやとちりです。
この作品の帯には、次のようにありです。
「 どこでも
見たことの
ない感情に、
あなたは、
ここで出会う。
Yの形をした木に目をとめた男。
彼はこの木を見て、
奇妙な方法で自死した
作家のことを思いだす。」
実在の作家さんの作品と人物に触発された作品となっています。この作家さんの
ことはまったく知りませんでした。検索をかけてみますと、かって芥川賞の候補と
なったことと尾崎放哉についての著作があることがあがってきました。
この作家さんは、1956(昭和31)年文学界新人賞に応募して落選、しかしこのあと
芥川賞にノミネートされたのだそうです。この作家さんは当時医師だったとのこと
ですが、同時に芥川賞にノミネートされたのが藤枝静男、北杜夫(いずれも医師で
ありました)などですが、結局は受賞作なしとなったとあります。
この作家さんは学生時代(二十歳の頃か)に小島信夫さんの作品を読んで強く揺さ
ぶられ、それ以降、小島信夫さんに私淑したのだそうです。
この作家さんについて検索をしますと、古本ソムリエさんのブログのページにヒッ
トします。この作家に献呈された小島信夫さんのものを市で落札したとあるのですが、
作家が亡くなったのは1988(昭和63)年のことですから、三十年近くたってから、
このような作品で名前を知られることになるのですから、以て瞑すべしです。