明日はお誕生日か

 本日に「みすず」6月号が届きました。封筒には赤い色で「購読の継続の

ご案内」とありましたので、これは前金が切れたお知らせでありますね。

 「みすず」の表紙裏には小沢信男さんの「賛々語々」が連載中でありまして、

当方は小沢さんのファンでありますので、小沢さんの連載が続く限りはみすず

定期購読を続けるのでありますよ。そう思いながら、10年目でありましょうか。

 このような思いで「みすず」を購読していらっしゃる人もいるのでありましょう。

津野海太郎さんの「最後の読書」を手にしたら、次のようにありました。

津野さんの文章は、この時、読書日記の体裁をとっています。2018年2月8日

のものだそうです。

みすず書房のPR誌「みすず」の表紙裏にのる小沢信男のコラム『賛々語々』

をたのしみに読んでいる。私同様、世間には、そんな人がかなり数いるみたい。

 軽くひねりのきいた時事文のあたまと末尾に、小沢さんがどこからか見つけ

てきた『名句』が合わせて二句、配置される。」 

 ということで、この日は小沢さんについての話題が展開するのですが、「はじ

めて会ってから五十余年、こんなデジタル老年をともに迎えるとは想像もして

いませんでしたよ。」で文章は終わっています。

 小沢さんがそれまで使っていた富士通ワープロからマックに乗り換えたのは

津野さんがやっていた「本のコンピュータ」の企画に合わせてのことでした。

たしか最初のマックはG3アイマックでクラムシェルでしたから、2000年くらいで

しょうか。

 それから20年ほど経過ですが、今月の「みすず」連載を見ますと「(年齢を

重ねても)書くのもパソコンを使えば、現にこの小文もべつだん困りはしません

が、それでなおさらペンで葉書や日記を書くさいに、再々手が止まる。日記帳を

みなおすと、コタツ、アンズの花、ヒローコンパイ、などのカナ文字が散らばって

いる。」とあります。

 当方は小沢さんよりふたまわりも若いのに、小沢さんよりもずっと漢字を書け

ませんですね。これは冒頭のところでありまして、このあとに時事文が続くので

すが、最近手にしたSUREからでた「本はどのように変わっていくのか」には、

津野海太郎さんを前にして黒川創さんが、次のようにいっています。

「『最後の読書』は、一回一回の文章が少しずつ違っている。そういうとこに、

華やぎを感じる。老人と華やぎは共存するんだよ。小沢信男さんとも、そこは

交歓があるような感じ。小沢さんは、もう91歳だけど、文章に華やいだ軽みが

あるでしょう。」

 小沢信男さんは1927年6月5日生まれでありまして、明日はお誕生日

92歳になるのでありますね。この年齢で現役というのは、なんともうらやましい

ことです。

俳句世がたり (岩波新書)

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最後の読書

最後の読書