やはり終わっていたか

 本日の午前に郵便やさんが「みすず」を届けてくれました。いつもの月より

も1,2日ほど遅く届いたのは、小沢信男さんが亡くなったことと関係がある

のかなと思いながら、封を切って「みすず」4月号を開くことになり。

 いつも真っ先に目を通す表紙裏をチェックしたら、そこに小沢信男さんの名

はあるものの、それは松山巌さんによる「小沢信男さんへの追悼」という文章

でありました。やはり前月号まで掲載の「賛々語々」は小沢信男さんの逝去と

ともに終わってしまったか。

 最後のページには「編集部より」ということで「作家の小沢信男さんが三月

三日に逝去されました。謹んでご冥福をお祈りいたします。みすず書房では

『通り過ぎた人々』(2007年)、『長谷川四郎 鶴 / シベリア物語』(編著

2004年)を刊行いたしました。長年にわたりご愛読いただきました「賛々語々」

は、三月号の第120回が最終回となりました。」とありました。

 「みすず」の「賛々語々」は2010年4月号からのスタートで73回目までが

岩波新書「俳句世がたり」にまとまっています。この残りの50回ほどはどうな

るのでありましょう。

俳句世がたり (岩波新書)

俳句世がたり (岩波新書)

  • 作者:小沢 信男
  • 発売日: 2016/12/21
  • メディア: 新書
 

  小沢信男さんが亡くなって、「みすず」が追悼文を依頼したのは松山巌さん

でありました。

 小沢さんは、昨年10月にくださったメールには、次のようにありました。

「後輩たちが次々に亡くなり、もう生きているのが面倒な気分です。

『賛々語々』も、いつまで続くやら。」

 池内紀さん、坪内さん、そして弟さんも亡くなって、小沢さんはかなり元気

をなくしておられたのでしょう。

 それにしても「みすず」で最後に締めてくださったのが、松山巌さんであっ

たのは、松山さんを信頼していた小沢さんにとってもよかったことであります。

松山さんの文章は、敬してもべたべたとせず、一定の距離をおいていて、それで

いて、伝わるものがありますね。