本屋めぐり

 日中に足の確保を頼まれて外出をすることになりました。せっかくで

ありますので、ブックオフなどをまわって歩くこととしました。

 本日はひさしぶりでツタヤ系の古本をならべている店へといってみました

が、棚のところに本はすべて80%オフと札がかかっていました。8割引きとは

すごい太っ腹なことと思いましたら、ほとんどの棚に本はないのでした。よく

見たら、書籍の買い入れは3月31日をもって終了しましたと掲示されていま

したので、ここでの本の販売は終わるとのことですね。さすがにこの状態では

購入できるものがなしでした。この店では、過去に何冊かありがたく買わせて

いただきましたので、これはちょっと残念なこと。

 ここからはブックオフ系の店にいって予算ワンコインでの選書であります。

以前から売れ残っていたものを買うことになりです。前回みたときには気が

つかなかったのですが、今回に手にしてみたら、不思議な貼り紙の残りが

ありました。

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 上下巻ともにこの付箋がはられていたようなのですが、上巻のものは

文字がはぎとられていて、読み取ることができずでした。本日に手にした

下巻でははっきり「私本等閲覧許可書」とあるではないですか。これは

拘束されている人のところに差し入れされた本でありますね。せっかくで

ありますので、これは買うことにです。

 佐野さんの「だれが『本』を殺すのか」というのは、刊行されたときに話

題となったのですが、この本で「小沢書店」倒産についての記述が「典型

的なバブル倒産だった」と書かれていたと知って、違和感を感じ、ずっと

手にすることがなしでした。元版がでて18年が経過して、本をとりまく状況

はさらに悪化と思われます。

 まあ、この時になってこの本を読むのも意味がありますでしょう。

佐野さんが取り上げたいま話題の出版人へのインタビューからであります。

「角川時代、見城は文庫に大藪晴彦と阿佐田哲也、それに団鬼六の作品

を収録することを主張して譲らなかったという。

『ごく普通の大衆にとって、本はこの世の憂さを晴らすものなんだと思う。

大藪さんは無制限の暴力で、阿佐田さんは権力にまつらわぬ永遠の放浪

で、団さんは異常も正常もない性の快楽に対する無限の追求で、この世に

受け入れられないと感じている大衆の気持ちを代弁している。』」

 角川から独立した見城さんは、このような路線を基礎にスタートしたの

でありまして、それはアウトロー文庫に結実するのですが、アウトローとい

えば、最近のベストセラー作家さんもそうなのでしょうが、そうした人が、

なんとなく道学者のように振る舞うから、話はややこしくなるのであります

ね。

だれが「本」を殺すのか〈上〉 (新潮文庫)

だれが「本」を殺すのか〈上〉 (新潮文庫)

 

 

だれが「本」を殺すのか〈下〉 (新潮文庫)

だれが「本」を殺すのか〈下〉 (新潮文庫)