本日の新聞に光文社文庫の広告が掲載されていました。その昔の光文社
はベストセラーを次々とだすことで有名でありましたが、今はあまり売れない
ような文庫をだしてくれるありがたい本屋です。(その昔の光文社はベスト
セラーをだして、その利益で大西巨人さんの「神聖喜劇」の刊行をサポート
していたのも有名な話。)
それはさて、本日の新聞広告にあって、これは買いましょうと思ったのは、
寺脇研さんの文庫本です。
「新編」とありますので、元版はと思って検索をしてみましたら、2012年に
光文社から新書ででていたことがわかりました。当時は、当方のアンテナには
まったくかかりませんでした。
寺脇さんは異色の文部官僚でありましたが、お役人の時から映画に関する
著作があるということですから、筋金入の映画ファンであります。それにしても
「昭和46年の第一作から観続けてきた著者渾身のロマンポルノ大全」という
のは、インパクトがありますね。
日活がロマンポルノ路線に入ったのは1971年ですから、当方は京都で、
あまり学校に足を運ばない学生をしていました。映画は二番館、三番館でみて
おりまして、封切りの映画館はほとんどいったことがなかったことです。
ロマンポルノは見たのは、一乗寺にあった京一会館でしたでしょう。どのくらい
の本数を見たのかな。藤田敏八のものとか、けっこうかっこうつけた人であり
ましたので、いくらも見てはいないはずです。
ATGの全作品を見るとかいえば、なんとなく聞こえはいいのですが、ロマン
ポルノの全作品を観続けるというのは、ほとんど誰からもほめてもらえる話では
なくて、これは楽しくて、しかも孤独な作業でありますね。
寺脇さんは、そういう人であるのだな。