時に意味不明ながら

 昨日に入手した小林信彦さんの「生還」を読んでいます。

  まだ半分くらいしか読んではいないのですが、これまでの小林さんの作品

とは雰囲気が違って、とても興味深いことであります。

 ノンフィクションのようでもあり、不思議な小説にも読めるところがありです。

脳梗塞で脳にダメージを受けて、頭も身体もおかしくなるのですが、それから

どのような過程を回復するか、しないのかということのようです。回復する

につれて、小林さんらしい気難しさが現れてきます。

 大病になって、不調であるときには、その人らしさは姿を消すのであります

が、回復するにつれて、本来の自分がでてきます。

 最初に入院したところから、すぐにリハビリ専門病院に転じるのですが、その

ときのことを、小林さんは次のように書いています。

「なにもわからないままに私はH病院に転院した。・・移ったころの記憶はまだ

あいまいで、数人いたリハビリの相手もはっきりろは覚えていない。次から次

へと変る身の変化に、ついて行けなかったというのが正直なところだ。

 感情的に不安定だったこともある。」

 実録ではありますが、ドキュメントではないので、日付はあいまいであります

が、どうやら転院は発症の一週間後くらいのようです。この時期であれば、まだ

意識もしっかりとはしていないでありましょう。(これを読むときには、母の倒れ

てからのことが思い出され、その経験が生きることです。)

 本日に読んだところで、一番心に残ったくだりは、以下のものであります。

「簡単に出来ることで、脳梗塞を避けられるのはウオーキングである。

ウオーキングを軽視した私に、バチが当たっているのだから、わかる。」

 「ウオーキング動脈硬化を予防する有酸素運動」ですぐれたものと記され

ています。これを目にしたら、散歩にでないわけにはいかないことで、本日は

ほぼ80分くらい歩くことになりました。小林信彦さんの本は、運動のすすめで

もあるのですね。