津野さんの本

 津野海太郎さんの新刊案内を編集グループ「SURE」からいただいた

ことで、津野さんの本について、つらつらと考えることです。

 そういえば、昨年に新潮社からでた「最後の読書」は、知人が図書館から

借りたものを横からのぞき見しただけに終わっていて、これを借りて読まなく

てはと思いながら、時間がたっていました。昨日に津野さんの本を話題にし

たこともあって、まずはこれを読んで見なくてはです。

 この本に収録の文章は新潮社「Webでも考える人」に連載されていたもの

ですが、新潮社の「波」ではなく、Webからも当然単行本が生まれる時代であ

ります。(PR雑誌とくらべるとWeb版のほうが経費がかからないように思う

ことですが、印刷費とか送料が不要ですからね。)

 「最後の読書」に収録のものは、2017年5月から2018年9月までにアップ

したものだそうです。

最後の読書

最後の読書

 

 ということで、この本を手にしてから、それじゃ「Webでも考える人」はどう

なっているのかと思って見てみましたら、なんと連載は今も続いていまして、

最新は21回となっていました。単行本には17回まででしたので、その後4回

もありか。

 ちなみに18回は「樹木希林と私たち」、19回20回は「鶴見俊輔伝を読む」

となっていて、21回は「往年の目力 読書日記」となって、長谷川四郎物語と

橋本治さんの著作を取り上げていました。

 本日はWeb版のほうに目を通していたのですが、18回「樹木希林と私たち」  

というのは、今となっては津野さんにしか書くことのできない文章であります。

津野さんが編集者をやりながら熱心に取り組んでいたのは演劇でありまして、

樹木希林となるまえの彼女は、その時代の演劇仲間であります。その時代の

ことは「おかしな時代」に描かれているのですが、本日はこの本をとりだして

こようと思いながら、いまだできておりません。

おかしな時代

おかしな時代

 

 樹木希林というか悠木千帆さんと津野さんはともに若くて無名であった

時代にともに演劇に取り組んでいたわけですから、津野さんの書くものは、

どこぞの週刊誌であれば「私だけが知っている樹木希林」とでも副題を

つけて宣伝されそうでありますが、そうはならないのが津野さん流ですね。

 樹木希林さんが亡くなって、その関連著作がベストセラーになっている

ことに違和感を感じる人は、ぜひとも「Webでも考える人」の「最後の読書」

18回「樹木希林と私たち」を読んでみてください。