どっと到着

 月はおわったが、長いお休みに入っていて、いつもであればすでに

届いている出版社PR誌は、いつ配達になるのだろうと思っていたら、

本日にまとまった到着となりました。一番遅くに届く「みすず」にあわ

せたような感じでありました。

 いまから50年近くも前のことになりますが、郵便屋さんもストライキ

をすることがあって、そういうときには親が仕送りしてくれる現金封筒

が届かないで、困ったことがありました。まあその時代は、そういうスト

は普通のことでありましたので、しょうがないかというくらいのことでし

た。最近は春闘といっても列車はとまらないし、郵便がストップすること

もありません。最近の人は、これを普通と思うのでしょうね。

 「みすず」ではまっさきに表紙裏にある小沢信男さんの「賛々語々」を

読むことにです。この連載は今回が100回目となりです。「みすず」は

一年間11回発行ですので、まる9年を超えたことになります。連載が

始まった時には83歳か、これまで休載したことが一回だけありますが、

これからどこまで回数を重ねることができるかな。

 今月の発句は、西東三鬼の「 おそるべき君等の乳房夏来る 」と

なり、これのいくつかの読みを紹介してから、次のように記しています。

「 おもうに芸術万般が、作者と鑑賞者との協同でなりたつものでしょう。

とりわけわずか十七文字の俳句は協同にこそ妙味があろう。読み人次第

で『君等の乳房』がさまざまに浮かんでもよろしいのでは。几帳面に目くじ

ら立てないでくださいな。」

 西東のこの句は、昭和23年刊の句集にあるもので、70年ほど昔の句と

なりです。この句を読んで、妄想するのもよろしいことかな。

西東三鬼全句集 (角川ソフィア文庫)

西東三鬼全句集 (角川ソフィア文庫)