昨日の本屋では、もう一冊買っておりました。
関西滞在中に購入してもよかったのですが、その時にはちくま新書の
「薬物依存症」を読んでいましたので、パスしてしまいました。
戻って落ち着いてきましたので、遅ればせで購入となりです。
この本の副題には「都市の記憶を掘り起こす」とあります。著者は地理学者
だそうで、「本書は、この十年間に大阪の街々を歩きながら感じたこと、考えた
ことをもとにして、現代都市としての大阪を特徴づける<場所>と<空間>に
ついて、およそ明治期以降の歴史をふまえて叙述するものである。」といってい
ます。
当方も年に何度か大阪には行くのでありますが、地下鉄谷町線を利用して
北は梅田から南は天王寺までをいったりきたりで、なかなかその枠からはみ
でることがありません。先日のフェルメール美術展でも会場からは通天閣まで
歩いてすぐなのに、いまだに行けておりません。
「1993年にはじめてわたしが大阪を訪れたときから歩きつづけているのが
<ミナミ>である。繁華な道頓堀・千日前から、日雇い労働者の街である
釜ヶ崎、そして遊郭としての機能と空間をダイレクトに引き継ぐ飛田新地にいた
るまで、場所性の強度を誇る街々がうろこ状に重なりながら連接しているところ
など、いくら歩いてもあきることがない。」
このように書いてあるのを見ますと、大阪街歩きの醍醐味はこのあたりにあり
そうですね。次回には、いってみようかしらん。
この本の第二章は、「大阪<南/北>考」となっていて、「相克する<南/北>」
とか「明日を夢見る<北>、回顧する<南>」という見出しがあります。
大阪ですから、北と南というのは、梅田と難波というか、阪急と南海の雰囲気の
対比でありましょうか。
それはこれから読むこととして、この本の担当編集者も河内卓さんでありま
した。「薬物依存症」の担当もですが、このところ手にするものに、河内さんの
ものが続いていて、これはどうしてかな。
そういえば、北と南というのは河内さんがやってらっしゃるツイッターのタイト
ルではなかったろうか。