有朋自遠方来

 本日は久しぶりに友人が来てくれました。

「朋有り、遠方より来たる。」でありますが、これが説かれた時代の遠方と

いうのは、どのくらい遠かったのでありましょう。今の時代であれば、東京

大阪であっても3時間ほどで着いてしまうのでありますが、江戸時代であ

れば間違いなく遠方ということになったでしょうし、100キロくらいも遠く

からでありましたら、徒歩でくるとしたら何日かはかかるのでありますから

これも遠方ということになるのかな。

 本日はそんなことを思いながら、友人と話をしておりました。

 夜になって「ちくま」4月号をみていましたら、最初におかれた岡田育

さんという方の文章に、「たしかに結婚はオワコン化しつつある。それでも

夫婦として生きる人々は絶えない。」というくだりがありまして、この「オワ

コン」という言葉がわかっておりませんでした。

 「ネオコン」という言葉はあったよな、ネオコンは英語の略語だが、オワ

コンはなんの略語なのかと検索してみたら、これは「終わったコンテンツ」

ということを略しているのだそうです。こんな言葉が、もう10年近くも前から

あったなんて、当方がふだん目にするものにはこの言葉はでてこないです

ものね。当方が知るようになるということは、そろそろこの言葉も使われな

いようになるということかもしれません。

 そういえば、遅々として進まない吉田健一さんの「金沢」を読んでいまし

たら、このようなくだりがありです。

「金沢の冬にしては温い日で内山は手に持つのが面倒なので忍者寺を

出る時に着た二重廻しが邪魔だった。」

 このようにいうのかと思ったのは、「二重廻し」でありまして、温い日で邪

魔なんですから、これは外套のようなものということはわかるのですが、さ

てそれはであります。当方の年齢でありましたら、その昔の冬の和服の男性

のスタイルを思い浮かべることができますので、これはトンビのことだなと

思うものの、若い人でありましたら、間違いなく検索をかけなくては、わから

ないでしょう。

 国語辞典を開きますと語釈はでているものの、それの雰囲気はわかりま

せぬが、検索をしたら写真がありまして、これは一目瞭然でありました。

 もちろん「終わったコンテンツ」には画像はありませんでした。 

金沢・酒宴 (講談社文芸文庫)

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