「改革狂の時代」というのは、本日の朝日新聞朝刊 佐伯啓思さんの
「異論のススメ」の見出しにあったものです。
「バブルは崩壊し、経済は急激に失調するとともに日本人はまったく自信
喪失状態になった。そうなると、われわれはすぐに『外国雨の識者』の助言を
聞きたがる。・・・何が日本をこうさせたのか、という悪者探しが始まる。こうな
れば『問題』は次々とでてくる。
かくて、官僚システム、行政規制、公共事業、古い自民党、既得権益者、
郵政事業、日本型経営、銀行などが次々とやり玉にあげられ、『改革』へと
なだれ混んだ。やがて『改革なくてして成長なし』といわれ、日本経済の低迷
の理由はすべて改革の遅れにある、という言説が支配する。驚くべきことに
30年たっても同じことが続いているのだ。まさしく『改革狂の時代』というほ
かないであろう。」
「改革狂」の人たちは、イエスかノーかという二者択一をせまることによって
時代の課題に向き合うのでありますが、これが極端化したのが、なんとか
ファースト主義でありまして、どう考えても広範な人たちを幸せにする仕組み
とは思えないことです。
「改革狂」の人たちは、スピード感をもってとか、決めることの重要さという
ことを力説するのでありますが、これは何よりも「改革狂」の人たちが忖度し
なくてはいけない「米国への追従」なのでありましょう。
それにしても、日本で選挙になったりすると、野党のほうがより熱心に改革
による成長を主張しそうでありまして、これだとなかなか支持を集めることは
難しそうでありますね。
こんなことは佐伯さんにいわれたくないねと、どこからも声は上がらないか。