病中からではありますが、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
薬のおかげで快方にむかっていることを実感することです。昨日よりも
熱がさがっていて、解熱剤を服用すると36度台になることもありですが、
あまり薬に頼ってもいけませんので、ほどほどにしなくては。
身体が楽になってきたら、すこし本を読んでやりましょうと思いました。
年末年始用にどっと本を借りていますし、そのうえ本も買っているのですか
ら、外出禁止令がでているというのは、おとなしく本を読んでいなさいと
いうことであります。
読みかけの本をそっちのけにして手にしたのは「ニュルンベルク合流」と
なりです。
ニュルンベルク合流:「ジェノサイド」と「人道に対する罪」の起源
- 作者: フィリップ・サンズ,園部哲
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2018/04/12
- メディア: 単行本
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注までいれると600ページを超える大部のもので、評判を眼にしなければ
なかなか手をだしにくいものです。当方は翻訳が出た頃に、書評を眼にしてい
るはずですが、この時はまるで眼に止まらずでした。
いまだ十分の一くらいしか読んでいないのですが、語らることのない過去と
残されない資料と家族の歴史として読んで興味津々です。
最初のところを読んでいたら、ヨゼフ・ロートとかシュテファン・ツヴァイクの
名前があがっていて、この時代におけるユダヤ系の作家の代表格といえば、
この人たちになるのかと思って、こうした人の文章を読んでもみたくなること
です。
著者は祖父の足取りを追うのでありますが、出身地のリヴィウという町の
位置づけについて、次のように書いています。
「1914年9月から1944年7月のあいだだけで、この町の支配者は八回変
わった。オーストリア=ハンガリー帝国に属する『ガリツィあ・ロドメリア王国、
クラクフ大公国、アウシュビッツ公国、ザトル公国』をまとめる首都としてしば
しば君臨したあと、この町支配者はオーストリアからロシアへ変わり、また
オーストリアへもどり、その後短期間西ウクライナの一部となり、その後
ポーランド、そしてソ連、次いでドイツ、再びソ連にもどって最後にウクライナの
支配下に入り現在にいたる。」
30年ほどの間に8回ですから、それこそ昔は良かったという声が聞こえて
きそうであります。昔というのはツヴァイクがいうところの「昨日の世界」であり
ましてハプスブルグ家が支配していたとなります。
新年ということもあって、この時間はウィーン・フィルのニューイヤー・コンサー
トを見物中でありますが、この楽団自体がオーストリア=ハンガリー帝国の栄華
を今に伝えるものでありますね。
- 作者: シュテファンツヴァイク,原田義人
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 1999/03/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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