どこか狂っているか

 本日は京都の最高気温は39度を超えたとのことです。昨日は多治見市で40度を超えた
とのことですし、今年の夏は、とんでもない暑さになっているようです。
 それとくらべると、当地の低温はどうしたことでしょう。本日の最高気温は18.6度で
あります。昨日よりも2度低い気温です。半袖のシャツを着てきたら、寒くて失敗した
と、本日あった知人はいってました。
 いつもでありましたら収穫期となる家庭菜園のきゅうりは、日照不足と低温のために
成長せず、花はつかないのですから、当然稔りもありません。これはひどいこと。
この先、酷暑の地と低温の当地は、どのようになっていくのでありましょう。
 四方田犬彦さんの小説が一挙掲載されているので、これを読むために「新潮」8月号
を購入したのですが、この号には、書評を見て気になっていた「ルポ川崎」の著者であ
磯部涼さんの「街は生きている」という文章(副題には「アフター『ルポ川崎』」)
が掲載されていました。
 最近の文芸誌には、このような書き手が登場するのであるのかと思いました。もう一
つ読んでみたのは、寺尾紗穂さんによる「二つの彗星 父寺尾次郎の死に寄せて」であ
りました。
 寺尾次郎さんは、かってベース奏者として伝説のバンドの「シュガーベイブ」に在籍
したあとに、翻訳家へと転進して、主にフランス映画の字幕翻訳を手掛けた方でありま
すが、当方がこの方のことを知ったのは、寺尾紗穂さんが文筆家としてデビューしてか
らでありまして、ミュージシャン時代も翻訳家としても接点はありませんでした。
 「新潮」8月号で、娘さんの文章を読んでまもなくの7月13日朝日の「折々のことば」
鷲田清一さんが、とりあげていたのは寺尾次郎さんのことばでありました。
 「そのわからなさを持ち帰って自分の中で時間をかけて咀嚼してくれたらなと思いま
す。」
 これは「カーサブルータス」オンライン版2016年7月9日のインタビューのなかにあっ
たことばとあります。ゴダールの「勝手にしやがれ」など初期の二作の新訳を手掛けた
時に、限られた文字数でしか表現できないので、へんにわかりやすくはしないという
ようなことを心がけたといったようです。
 鷲田さんが、寺尾さんのことを取り上げたのは、どうしてなのかなと思いました。
フランス映画の翻訳家として注目していたからか、寺尾紗穂さんの父親だからか、
それとも最近亡くなったからなのか、いろいろと思いをめぐらすことです。
 検索をしてみましたら、「カーサブルータス」オンライン版2016年7月9日の記事は、
今でも読むことができました。
 https://casabrutus.com/culture/23735