不思議なつながり

 熱はほぼ平熱となって、ほぼ回復でしょうか。年齢の割に回復が早いと自賛です。
本日はお天気がよろしでありましたので、散歩がてらコンビニ本屋へといってみま
した。
 目に入ったのは、この時期話題の直木賞芥川賞を受けた作品でありますが、当
方が探していたのは、雑誌「ブルータス」であります。

BRUTUS(ブルータス) 2018年2/15号No.863[山下達郎のBrutus Songbook]

BRUTUS(ブルータス) 2018年2/15号No.863[山下達郎のBrutus Songbook]

先日に山下達郎の番組を聞いていましたら、この特集がでて、けっこう中身が濃い
ものになってますとあったので、これは買いましょうといったのですが、見当たら
ずでした。まだ入荷していないのかな。あしたにでもまた探すことにしましょう。
 そんなわけで、本日の話題でありますが、ちょうと手近なところにおいてあった
二冊が思わぬつながりがあったという話題であります。
 一冊は戸川安宣さんの「僕のミステリ・クロニクル」で、もう一冊は岩波新書
出羽三山」であります。
ぼくのミステリ・クロニクル

ぼくのミステリ・クロニクル

出羽三山――山岳信仰の歴史を歩く (岩波新書)

出羽三山――山岳信仰の歴史を歩く (岩波新書)

 この二つにどのような接点がと思うのでありますが、それは戸川さんの本に書か
れていました。
「中学時代に歴史への興味が大きくなっていったんですが、同じく中学時代に、初め
て山伏の修業を体験しています。夏休みの宿題に自由研究がありました。何をしよう
かと考えていたら、おふくろが、それなら山形へ行ってみたら、というんです。
おふくろは、山形にある羽黒山の山伏寺の出です。寺の娘なんですね。八人兄弟で
一番上の兄が戸川安章といいます。この人が本当ならば寺を継ぐべき人なんですが、
本人がそれを嫌がって、学者になりました。山伏研究の、とくに羽黒山伏研究では
当時第一人者でした。」
 ということで、岩波新書出羽三山」巻末の参考文献をみましたら、戸川安章さん
の著作が何冊かあがっていました。
 この山伏修業は、中高を通じて六年間続き、大学にはいってもこれを研究テーマと
したいと思っていたとのことです。
「大学に入ってみると立教にはぼくの考えていた分野の歴史の先生がいなかったん
です。考えた板分野というのは前にお話した山伏のことです。・・・・戸川安章伯父
はぼくがそっちに進むものと思っていたようですから、しきりに他の大学に移れと
いうことをいわれました。」
 母方の伯父が研究者であっただけでなく、母方の祖父もまた住職であって、著作を
残しており、一族からは戸川安宣に山伏研究の道へといくことを望まれたようです。
 結局、内部進学で立教大学へといったことによって、山伏研究家となることなく
終わったのですが、もちろん、この分野に関しても並々ならぬ見識をお持ちのようで
す。
 こんどは岩波新書をぱらぱらとめくって戸川さんの名前がでてくるところをチェック
するのですが、あちこちにみあたります。たとえば、次のように。
「羽黒修験においては、春夏秋冬四季それぞれの峰入りがその修業のメインとなる行事
であった。手向の仏教寺院、正善院の長男として生まれた戸川安章によれば、そのうち、
春の峰は明治の神仏分離後にいったん廃絶したが、仏教側の荒沢寺において明治後期に
復活し、黄金堂で修正会と合わせ行じられているという。」
 思いがけない庄内つながりでありまして、戸川安宣さんに対して、親近感を覚える
ことであります。