図書館から借りた本 2

 中沢けいさんの対談集「アンチヘイト・ダイアローグ」をのぞいていましたら、そ
のお相手に中野晃一さんがいました。中野さんといえば、やはり昨年7月に岩波新書
から「右傾化する日本政治」をだして話題となったかたでありました。
 この対談で、すこし予習をしてから、この新書を読みすすめることとしましょう。
 図書館から借りてきた本、もう一冊は「歴史家 山辺健太郎と現代」であります。

日本の朝鮮侵略史研究の先駆者 歴史家山辺健太郎と現代

日本の朝鮮侵略史研究の先駆者 歴史家山辺健太郎と現代

 みすず読書アンケートであがっていた本です。当方の手元には、山辺さんが岩波新
書に残した自伝がありましたので、この2月にはそれを話題にしておりました。
どうすれば、「歴史家 山辺健太郎と現代」を読むことができるだろうかと思ってい
ましたら、図書館にはいっていましたので、これはありがたしです。
 この本の表紙には「日本の朝鮮侵略史研究の先駆者」と刷り込まれています。表紙
には無精髭に、オーバー、素足に下駄姿の山辺さんの写真がありますが、これを見て
も相当に不思議な人であるということがわかります。
なかを見ていて、本日に目がとまったのは「小説にも登場した山辺健太郎」という
ところであります。登場する小説とは干刈あがたさんの「月曜日の兄弟たち」という
作品だそうです。この作品は「ウホッホ探検隊」に収録されているとのことです。
 干刈あがたさんの小説ならもっていそうなので、さっそく福武文庫版をさがしてみ
ました。福武文庫の「ウホッホ探検隊」には、あらま「月曜日の兄弟たち」は収録さ
れていません。文庫を見てみましたら、単行本から文庫化されたときに収録された
作品が入れ替わったようで、それじゃと思って文庫「ゆっくり東京女子マラソン」を
チェックしてみましたら、こちらのほうにはいっていました。
 「小説にも登場した山辺健太郎」というところには、干刈さんの「月曜日の兄弟た
ち」から山辺さんがモデルとなっているくだりが引用されていますが、作品にあたっ
てみましたら、このくだりは、もうすこし続いていました。
 それにしても山辺健太郎さんから干刈あがたさんにつながるとは思わなかったこと
です。