図書館の新着資料の棚に、どんと鎮座して表紙を見せている本が目にはい
りました。なんだこの厚さと豪華な本のつくりはであります。手に取ってみまし
たら9月にでた青土社の新刊とのことです。青土社の広告は、新聞とか雑誌で
目にしているはずですが、このようなものがでていたとは知りませんでした。
世界で最も美しい12の写本 ―『ケルズの書』から『カルミナ・ブラーナ」まで』
- 作者: クリストファー・デ・ハーメル,加藤磨珠枝,松田和也
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2018/09/21
- メディア: 単行本
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本についての本というのは、当方の好みのジャンルでありまして、その昔であ
りましたら、購入も検討するような一冊ですが、正直図書館に入っていてよかった
こと。税別6900円はなかなか手がでない。
さて、「美しい写本」であります。
写本でありますから、これは元があって、それを写したとなりますね。ものによって
は元が失われて写しだけが残るということもあるのでしょう。写字生という人たちが、
ひたすら間違えのないように書き写して、副本をつくるわけです。
これは洋の東西を問わずでありまして、紙にプリントしたものが綴られるようにな
るまでは、書籍はえらく貴重で、高価なものでありました。
その昔でありましたら(印刷本が出回る前のこと)、当方のようなものには書籍を
所有するなんてことはできなかったでしょう。その時代には、貴重な刊本を一晩借り
て、自分で写したなんてことが普通にあったようです。
借りてきたのは「美しい写本」を見るために世界の図書館を訪ねて歩くという話
であるようです。そう簡単には見せてもらえないものばかりですから、どのようにして
見ることができたのかとか、どうしてそこに収蔵されているのか、そもそもどのように
して作られたのかとか、いろいろと想像をたくましくであります。
取り上げられている写本は12冊で、最後までいくと630ページほど、まずは図版
を見るだけでも楽しいか。