こんな本が図書館に

 図書館の新着資料の棚に、どんと鎮座して表紙を見せている本が目にはい

りました。なんだこの厚さと豪華な本のつくりはであります。手に取ってみまし

たら9月にでた青土社の新刊とのことです。青土社の広告は、新聞とか雑誌で

目にしているはずですが、このようなものがでていたとは知りませんでした。

世界で最も美しい12の写本 ―『ケルズの書』から『カルミナ・ブラーナ」まで』

世界で最も美しい12の写本 ―『ケルズの書』から『カルミナ・ブラーナ」まで』

 

  本についての本というのは、当方の好みのジャンルでありまして、その昔であ

りましたら、購入も検討するような一冊ですが、正直図書館に入っていてよかった

こと。税別6900円はなかなか手がでない。

 さて、「美しい写本」であります。

 写本でありますから、これは元があって、それを写したとなりますね。ものによって

は元が失われて写しだけが残るということもあるのでしょう。写字生という人たちが、

ひたすら間違えのないように書き写して、副本をつくるわけです。

 これは洋の東西を問わずでありまして、紙にプリントしたものが綴られるようにな

るまでは、書籍はえらく貴重で、高価なものでありました。

 その昔でありましたら(印刷本が出回る前のこと)、当方のようなものには書籍を

所有するなんてことはできなかったでしょう。その時代には、貴重な刊本を一晩借り

て、自分で写したなんてことが普通にあったようです。

 借りてきたのは「美しい写本」を見るために世界の図書館を訪ねて歩くという話

であるようです。そう簡単には見せてもらえないものばかりですから、どのようにして

見ることができたのかとか、どうしてそこに収蔵されているのか、そもそもどのように

して作られたのかとか、いろいろと想像をたくましくであります。 

 取り上げられている写本は12冊で、最後までいくと630ページほど、まずは図版

を見るだけでも楽しいか。