オーバーフローで

 あちこちで、今年の収穫があがってきて、それをみましたら、当方が購入していて、
いまだ読めていないものもいくつかありです。だいたいが「今年の収穫」のチェック
すら丁寧にできていないのですから、完全に情報過多で、オーバーフローであります。
 そういえば、先日に安価で購入した本も、まるで中をのぞくことができていないこ
とでした。買ったことすら忘れてしまいそうな師走の日々であります。
 忘れないように、ここに記しておきましょう。

歳月なんてものは

歳月なんてものは

 久世さんが亡くなったのは2006年3月とのことですから、十年以上たったことになり
ます。久世さんの残した文章で、単行本に未収録のものを集めた一冊でありました。
幻戯書房らしい一冊ですが、ちょうどこの本が出来上がる頃に、幻戯書房代表の辺見
じゅんさんが亡くなったとのことです。辺見さんがいなくなったら、幻戯書房はどう
なるのかと思いましたが、今でも健在であることはめでたいことです。
 そういえば、「本の雑誌」1月号に掲載の「坪内祐三の読書日記」10月11日のところ
に、次の記載があり。
「六時、三省堂2Fの喫茶で幻戯書房のNさんと私の評論集の打ち合わせ(Nさんの作っ
てくれた目次案素晴らしい)」
 ここで言及されているものが刊行となるようです。「右であれ、左であれ」という
のは、もちろんオーウェルでしょうか。 ありがたく買わせてもらったあと一冊は中井久夫さんの「時のしずく」でありまし
た。
時のしずく

時のしずく

 中井久夫さんのみすず書房からのエッセイ集は、安価で見つかれば必ず買うのであ
りますが、揃えて背表紙を見て楽しんでいますが、背表紙を見ているだけで頭が良く
なったような感じがするのですね。
 この集には、須賀敦子さんについての文章が二本収録されているのですが、うち一
つは、河出版須賀敦子全集の解説として書かれたものでありました。あれはいいもの
ですよ。