今年の正月は、変則で仕事をしていたせいもありまして、年明け最初に本屋にいった
のは松がとれてからとなってしまいました。
均一系の古本ブログを拝見しますと、元旦のブックオフは思い切ったセールをやって
いたとありました。せどりなどを業にしているのでありましたら、元旦から仕事のため
にブックオフというのもありでしょうが、一般の人でありましたら、正月から均一棚
あさりをしなくともいいでしょうにと思います。
当方は、祖母から元旦から消費のための支出はすべきでないと教えられたせいもあり
まして、今になってもその教えを守っております。そういう過去の美風(?)に逆らう
ような、最近の商業界の傾向であります。こういうのが、本当に人間を幸せにするので
ありましょうかと思うことです。
年の初めに購入する一冊目は、そこそこなにか理由のつくようなものにしようと考え
るのでありますが、ここ数年の購入リストの一冊目をならべて見ますと、次のように
なっておりました。(同時に複数冊を購入して、その一冊がわけもなく一番上に記され
ていることもあるのですが。)
07年 逃げ水半次無用帖 久世光彦 文春文庫
08年 本の背表紙 長谷川郁夫 河出書房
09年 おかしな時代 津野海太郎 本の雑誌社
10年 昨日と明日の間 小尾俊人 幻戯書房
11年 永遠の故郷 吉田秀和 集英社
08年〜10年は、どういうわけか編集者であった方が書いた著作であります。これら
は、正月に帰省する弟に買ってきてもらったものでした。どうさかだちしても、近所の
いきつけの本屋に「幻戯書房」の本は入荷しませんですから。
そうして今年です。昨年から今年にかけては阪田寛夫さんを話題にしていたせいも
ありまして、阪田さんと近しい庄野潤三さんの「野菜讃歌」が、今年の一冊目となり
ました。この本は文芸文庫にもはいったものですが、当方が確保したのは単行本の
ほうで、ブックオフで定価の半額本でした。