まったく迂闊なこと

 一昨日に毎日新聞の「今年の三冊」を話題にしましたとき、経済学の伊東光晴さん
ブレイディみかこさんの「子どもたちの階級闘争」を取り上げていて、それを「み
すず」に連載時に、まったくフォローしていなかった小生は、まったく迂闊と記したと
ころでありました。
 そう思っていましたら、本日の朝日新聞朝刊1面コラム「折々のことば」で鷲田清一
さんが、ブレイディみかこさんの文章を引用しているではないですか。昨年くらい
までは、この人はどこの人という感じでありましたが、ここに来て、知らなかったら
もぐりみたいな存在となっています。すごいスピードで駆け上がっている感じですが、
ご本人は、海外に本拠をおいて活動しているわけですから、日本の一発屋芸人のように
マスコミのおもちゃになっているわけではないですね。
 ちなみに鷲田清一さんが取り上げているのは、ブレイディさんの次のくだり。
「縮むことができるのは、もう大きくなっている人々であり、坂道を下ることができる
のは、すでに坂をあがった人々だ。」
 この言葉に対して、鷲田さんが添えた文。
「これから成長してゆく子どもたちのために、社会の収縮を前に財政緊縮をのうのうと
説いている場合ではないと、英国在住の保育士・ライターは言う。」
 「緊縮財政」が大きな課題であることは英国だけではないのでしょうが、その時に
「これから成長してゆく子どもたち」をターゲットとした政策を展開すると、貧困な
子どもを増やすことになるということのようです。
 これでいきますと「縮むことができる」のは、当方のような年金世代であるようでし
て、これからの時代に高齢者は、どう対応していくことになるのかな。
 鷲田さんが引用しているブレディみかこさんの文章は、朝日新聞「一冊の本」11月号
に寄せたもの、これも大慌てで、本日に読むことになりです。