気になった本など 2

 先日にいきつけの新刊本屋へとたちよりました。そろそろ阪田寛夫さんについての
本が入っていないかなと思ったからであります。

枕詞はサッちゃん: 照れやな詩人、父・阪田寛夫の人生

枕詞はサッちゃん: 照れやな詩人、父・阪田寛夫の人生

残念ながら、これは空振りでありまして、この本は行きつけの店には入荷しないかも
しれないなと感じました。また次の機会に、見てみることにいたしましょう。
先日に届いた新潮社「波」12月号には、工藤直子さんが、この本について書いていま
す。この文章の見出しには、「阪田寛夫さんにしっかり会えた気がする。」とありま
した。
 当方は、これまで大浦みずきさんや内藤啓子さんがお書きになったものを読んだり
していますので、どれだけ新しい話を眼にすることができるだろうかと思いながら、
まずは立ち読みすることができることを楽しみにしています。
 この本屋へといって、新刊をチェックしていたら、そこにすこし場違いなような本
がありまして、それを手にしてしばしなかをのぞいていました。
日本リベラル派の頽落 (徐京植評論集)

日本リベラル派の頽落 (徐京植評論集)

 ほんの二十年くらい前であれば、ごくごく普通に発言されていたことでありますが、
ここ数年の間に、どんどんと右によっていて、その昔であれば極右といわれていた勢
力が保守本流の位置を占めています。日本の保守はいつからそんなにひどいことに
なったのかですが、徐京植さんにいわれせると、同時に「リベラル派の溶解」となる
わけです。
 この本に添えられた文章には、次のようにあります。
昭和天皇の死去(1989年)に際して、戦争責任・植民地支配責任と向き合う最大の
好機を逃した日本社会はいま、1990年代後半の右派によるバックラッシュ
「9・11同時多発テロ」「福島原発事故」を経て長い反動期に入っている。
今回の衆院選でも「排除」=「リベラル潰し」の高波が打ち寄せた。
戦後民主主義」を担ってきたリベラル派の溶解を目の当たりにしてきた著者30年に渡
る思索の軌跡を綴る。」
 徐京植さんは、韓国に渡って当時の政権に逮捕された徐兄弟の弟さんであります。
今の大韓民国とは、まるで違った国のような当時の韓国でありました。日本から韓国
に留学した学生たちが北朝鮮のスパイであると拘束されたのですが、これは「学園浸透
スパイ団事件」と呼ばれ、20名近い留学生が裁判を受け、拘束をされました。
 この中には、当方の学友も含まれておりまして、その後、長く拘束されることになり
ました。彼はスパイなどではないと同級生たちは活動を続け、協力要請は遠くに住む
当方のところへもきました。
 徐京植さんの名前を見ますと、そうした時代があったことを思いだします。徐さんは、
いまだにその世界に留まっていて、当方ははるかに遠くに流されていることです。