まどさん百歳4

 昨日に、阪田寛夫さんの「まどさん」ちくま文庫のあとがきから、まど・みちおさん
の絵画についてのところを引用しましたら、早速「仙台が親戚」様から書き込みを
いただきました。当方は、まど・みちおさんの画業についてはまったく知る所が
なかったので、あらためて、検索をかけてみました。

まど・みちお画集 とおい ところ

まど・みちお画集 とおい ところ

 新潮社から、このように立派な画集がでているとは、まったく知りませんでした。
まどさんの出身地である周南市では、この時期、まどさんの百歳を記念した絵画展を
美術博物館で開催しているとありました。ずいぶんと作品もたくさんあるようです。
http://mainichi.jp/area/yamaguchi/news/20091115ddlk35040248000c.html
 ちくま文庫「まどさん」の解説は谷悦子さんという方が書いています。
まど・みちお阪田寛夫には共通点が多い。子どもの心をもった詩人で、どちらも
戦前に受洗しながら、現在はキリスト教に距離を置いている。そして戦争体験(阪田は
中国へ出征)をもつ。が、作風と気質の面では対照的である。阪田は人間・現実に
愛着をもち、『土の器』に代表されるように伝記的小説家の面をもつ。それに対し
まどは、人間・現実を存在するすべてのものと感応する魂を持ち、抽象画(想像)の
世界にひとり没頭して遊ぶ精神の持ち主である。
 阪田が、まどを『ただびとではない』と思うようになったのは、『暗い、底知れぬ
思考をつきつめる精神力を示す抽象画 『あれがまどさんの宇宙観ではないか』に
出会って以来のようだ。魂の基底部で共鳴しながら、自分とは異質な世界を内包する
まど・みちおという詩人の人間像と『作品が生まれ出た胎内の細部』を探索したいと
いうのが、阪田にとっての『まどさん』の執筆動機であったといえよう。」