作業の合間に

 本日の作業はパン作りでありますが、天然酵母を使ってでありますので、時間がか
かりまして、仕込みから焼き上がりまでに要した時間は10時間ほどとなります。
ほとんどの時間は、発酵に要するものですから、その間は何もすることがなく、ほっ
たらかしであります。このところは、気温が低くなっていますので、これまでと同じ
にやっていても、同じようにはいかないことで、これが自然なパン作りであります。
 ということで、本日の作業の合間には速歩散歩にでて、そのあとは短編小説などを
読んでおりました。
 買っただけで安心してしまって、手近においてあったのに、ほとんど読んでいない
ものを手にしていました。

 デビッド・ロッジの短篇集でありまして、長くても30ページくらいのものですから、
すぐに読めるのですが、すぐに読めると思うと、後回しになったりです。
本日はそのなかから、四作ほど読みました。
 一番短い作品は7ページくらいですから、本当にあっという間に読めてしまうのです
が、この本のあとがきには、作者がこの短い作品について、次のように説明している
のです。
「『わたしの死んだ女房』は、この中で最も新しい短編で、この短編は、わたしがこう
考えたことから生まれた。ロバート・ブラウニングの詩『わたしの亡き公爵夫人』は、
なかんずく完璧な短編小説であり、現代の文脈での短編のモデルになるかもしれない。
それは元の詩と面白い対照を成すであろう パロディとしてではなく、オマージュと
して。」
 こう書かれたあとに、このロバート・ブラウニング詩の全体が引用され、それへの
解説がつくのでありますが、この7ページほどの作品は、このあとがきとあわせて一つ
のものであるらしです。
 これは読み直さなくてはいけないことです。