ブックオフへ

 「光の犬」を読んでいましたら、一族三代を描いた小説を読んでみたくなりました。
すぐに頭に浮かんだのはトーマス・マンの「ブッデンブローグ家の人々」です。この
作品に影響を受けて書かれたものは、読んでいたりするのですが、本家本元のこれは、
ずいぶんと昔に岩波文庫で購入し、なぜか途中でなげてしまって、それ以来未読が続
いています。先日に物置におかれた文庫棚を見ていましたら、三分冊となったうちの
二冊はささっていたのですが、一冊が見当たらずで、ちょっと出鼻をくじかれました。
 これはブックオフにいって探してみようとでかけましたです。これは単なる言い訳
でありまして、ブックオフへといきたかったら、行ったのでありますね。
もちろん、「ブッデンブローグ家の人々」はあるはずもなしですが、小一時間ほど棚
の前で本をながめておりました。
 本日も予算はワンコイン5百円でありましたが、購入した文庫本が値段が高くて、
予算をオーバーしてしまいました。本日に購入したのは、次のもの。
 

多情仏心 (新潮文庫)

多情仏心 (新潮文庫)

 里見とんの「多情仏心」新潮文庫 一冊本となります。もともと二分冊となってい
新潮文庫を復刊したときに一冊にしたもの。平成6年にでたものですが、この一冊本
では持っていないのですが、なんとなくこの作品は、持っていたように思うものの、
最近目にしていませんし、何より未読ですから、これを機会に。
 もう一冊は、次のもの。
甘粕正彦 乱心の曠野 (新潮文庫)

甘粕正彦 乱心の曠野 (新潮文庫)

 定価の一割ほどで売られていて、これはお気の毒です。
 何ヶ月か前のNHKBSの再放送で、満映のドキュメントをみました。この本を手にして
開いたところに、そのときにでていた女性(?)のコメントがのっていて、その女性の
旧姓が、当方の同居人と同姓同名であることが購入の決め手でありました。
もちろん、満映の甘粕側近には長谷川濬さんがいることもありますし、長谷川四郎さん
も近くにいたことですからして。
 まだ冒頭のすこししか目にしていないのですが、そこに次のようにありです。
「戦後の高度成長とは、失われた満州を官民一体となって国内に取り戻す壮大なゲーム
だった。私は常々そう言いつづけてきた。・・・
 満州から伸びた巨大な影は、国内に影を落としているだけではない。・・現在のアジ
ア全体の勢力地図に大きな影響を及ぼしている。満州がなければ、その後の極東をめぐ
る米ソの対立もなければ、その結果としての北朝鮮も生まれなかった。」
 満州国がなくても米ソの対立はあったかもしれませんですが、米国大統領が東アジアを
歴訪する時に、その昔にあったことを思い起こすのも意味がありますでしょう。