半減期を祝って

 本日は衆議院選挙の投票日で、この時間はメディアで開票速報が流されています。
いつもながらでありますが、投票箱の蓋がしまった瞬間に、今回の選挙結果予測がで
てしまうのでありますからして、なんともはや味気ないことです。一部激戦が続く
選挙区の関係者はひやひやしながらでしょうが、与党が圧勝という構図には変わりが
ありません。
 過去の選挙などでは、一方を勝たせ過ぎたりしたときには、次回の選挙では、ゆり
戻しがあったりしたものですが、今回はそういうこともなしで、これは政権与党が
評価されたというよりも、選挙戦略が上手ということでしょうか。
 今回の選挙の結果は、これからにどういう影響を与えるのでありましょうね。
 そんなことを思いながら、先日に購入した津島佑子さんの「半減期を祝って」を
読んでおりました。
 この小説の書き出しは、次のようになりです。
「三十年後の世界を想像せよ、と言われると、それじゃ三十年前はどうだったのか、
と反射的に考えたくなる。
 三十年前、パソコンどころか、ファックスも、まだ私の住まいにはなかった。
三十年という年月はそう考えると、充分に長い。しかし生活の実感としては本質的な
変化があるように感じられない。」
 この三十年を振り返ってみましたら、三十年前というのはちょっと前のことのよう
に思えてしまって、本質的な変化は、当方も感じないことです。
むしろ違和感を感じるというのは、ここ数年のことで2011年くらいが分岐点になるの
でしょうか。
 津島さんの「半減期を祝って」は、2011年から30年を経過してセシウム137が半減期
を迎えたということをお祝いするという、近未来小説でありますが、これがなんとも
希望のもてない内容のものとなりです。

半減期を祝って

半減期を祝って