昨日に引き続いて中川成美さん「戦争をよむ」(岩波新書)を話題にです。
この本は、全部で六章からなり、あわせて70の作品が紹介されているのですが、
「女性たちの戦争」「植民地に起こった戦争は」「周縁に生きる」という章には、
知らない作者の作品がならんでいて、これらは気になりました。
本日は、そのなかから「終縁に生きる」で紹介されている作品に言及です。この章
の頭には、次のようにありです。
「明治維新から三十年にも満たない時から、日本は戦争に乗り出した。日清、日露か
ら第一次大戦、そして日中戦争から第二次大戦へと、日本は間断なく戦争へと身を投
じた。そこには近代資本主義の容赦ない戦争が影を落としている。その周縁に追いや
られた人々の姿は、文学の中に未だ生きている。・・
戦争が生み出される要因としての貧困格差や、戦争の結果として個人に強いられた
不当な運命など、市井の人々が蒙った様々な人生の困難が描かれた作品を、ここに集
めた。」
ここに取り上げられている作品は11ですが、次の三作がならんでいました。
- 作者: 安本末子
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- 作者: 東峰夫
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1980/09
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- 作者: 永山則夫
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して北海道であります。これって、津島佑子さんの「半減期を祝って」にでてくる
30年後の「愛国少年団」に入団を許されない人ばかりではないですか。
周縁に生きる人々は、愛国からは相当に遠いところにいるようです。
それにしても、ここで東峰夫さんの名前を見るとは思わなかったことで。中川さんは、
東峰夫さんの「孤独な抵抗」を高く評価していて、これを機に作品を読んでみなくて
はと思ったことです。