フェアプレイはまだ早いか

 本日は亡父の誕生日でありました。生きている時は誕生日で祝われ、亡くなってか
らは、命日で偲ばれることになりです。父の生前は、誕生日は時節柄の栗を使った
自家製のモンブランなどでお祝いをしたものでした。これは亡父が敬愛した斎藤茂吉
の歌集「白き山」ともかけられていて、本日はモンブランを食するのでありました。
 もう一つ、この日は1943年学徒出陣壮行会の日でありまして、その後には国際反戦
デーという呼び名で記憶されることになりました。本日の新聞のどこかに、そのこと
は書かれていましたでしょうか。
 ここしばらくの新聞は、衆議院選挙一色でありまして、ほとんどこれに関する記事
を除くと、読むところがないくらいに思えるのですが、ひどい政治の劣化がいわれて
いる一方で、経済界の名門企業の劣化を伝える記事が目につくことであります。
 たぶん、名門といわれた企業ほど苦戦を強いられていると思われるのに、記録的な
株高が続いていると聞かされても、まるでそれは何かからくりがあるのではないかと
しか思えないことです。(もちろん、現政権が選挙を有利に戦うための買い支えなど
があるということでしょう。)
 普通であったらとっくに上場廃止になっていても不思議でない会社が土俵際で踏ん
張っているのも、法令遵守という部門がないはずがないのに、それが守られていない
製造会社も政府系金融機関も、このくらいはどこもやっていることで、国際競争で勝
ち抜くためには、とりわけ世界標準とは違ったルールで企業活動をしている中国に勝
つためには、法令遵守なんて小賢しいことはいってられないということでしょうか。
 経済のめざましい成長が達成できれば、国家財政の収支は好転し、将来の年金、福
祉も問題にはならないということのようですが、そのために必要なのはフェアプレイ
ではないからして、政治も経済も法令遵守は先送りしようということでしょうね。
 企業のトップは頭を下げたり、責任をとって辞めるようでありますが、政治のトッ
プは、それは解釈の違いというのでありましょう。勝てば官軍とはよくいったもので
ありまして、依然として長州閥が支配する国であることです。