札幌では本屋にも

 札幌へといったおりに、短時間ではありましたが書店に立ち寄ることができました。
最近の新刊で入手できていないものの確保であります。とりあえずなんとか次の三冊
を購入することができました。

 池内紀さんの本でありますので、たぶん読みやすいはずと思いました。読むのはこ
れからとなりますが、池内さんは、これからトーマス・マンの新訳に挑戦するという
ことになるのかな。池内訳のトーマス・マン読んでみたいもの。
まずは「ブッデンブローグ家の人々」かな、それより「ベニスに死す」のほうが早く
翻訳は仕上がるでしょうか。
ビブリオ漫画文庫 (ちくま文庫 や 50-1)

ビブリオ漫画文庫 (ちくま文庫 や 50-1)

 ちくま文庫の一冊ですから、もっと簡単に入手できると思っていましたが、ちょっ
と手こずりました。「ちくま」に掲載されていた中条省平さんの文章で、この本がで
ていることを知ったのですが、この文章を目にしなくては、見逃しでいたかもしれま
せん。
 これはコミックの世界にくわしくない当方には大変ありがたいアンソロジーであり
まして、次のような章立てになったいます。
 1 古書吟遊   2 古本綺譚      3 本をめぐる奇人たち
 4 本の掌編   5 貸本屋とその周辺  6 恋と古本 
 書籍をめぐる文章のアンソロジーというのでありましたら、これまでもあったと
思いますが、それのコミック版です。
 この世界にくわしい人には、良く知られた作品なのでしょうが、当方がこれまでに
読んだことのある作品は一つもなしです。
 これで読んでみたかったのは、山口昌男さんが推している湊谷夢吉さんの作品であ
りました。(湊谷さんの作品集は、札幌大学山口昌男さんの書架にたしかにありま
したです。)
 そのタイトルは「粗骨の果」というタイトルで、巻末にある編者解説によりますと、
「野呂昭如『好色の魂』のモデルともなった出版人・梅原北明を思わせる異色のエロ
出版興亡史。きわめて活劇映画的な魅力に溢れている。」とあります。
 この作品は、ずいぶんと丁寧に描き込まれていて、文庫本と小さいのが残念であり
ました。当方は高校生の頃に、雑誌(たしか小説新潮)に掲載された「好色の魂」を
読んで、楽しんだ記憶がありです。野坂さんの作品で、もっとも早くに読んだ作品の
はずで、この作品世界を好んでいますからして、夢谷さんがどのように描いているの
かが気になりました。
 この「粗骨の果」も楽しく読むことができましたので、他の作品も見てみたいと思っ
たことです。
 その三冊目は、デビッド・ロッジの新刊でありますが、これはまた明日にでも。