「波」8月号から

 「波」8月号が届いておりました。まずは近刊案内をチェックするのでありますが、
残念ながら、これはというものが見いだせずであります。
 巻頭におかれているのはジョン・アービングへのインタビューで、これは25年越し
の小説「神秘大通り」の翻訳出版に関連してです。アービングの新作の翻訳がでる
というのは、やはり大きな出来事であるのですね。
 当方はまるでアービングにはまるで縁がなくて、1985年に「ガープの世界」がサン
リオ文庫からでたのを購入したのですが、それっきり読むこともなしで30年が経過で
あります。これからアービングを読もうなんてことにはならないでしょう。
 この「波」8月号で楽しく読んだのは、鳥海修さんの「神楽坂ブック倶楽部」での
講座「あなたは今、どんな書体で読んでいますか?」であります。
 書体については知らないことばかりでありまして、「寄席文字」であれば橘右近
さんという方が「橘流」なる寄席文字を創始して徐々に洗練させたとか、歌舞伎の
番付が書かれる「勘亭流」の文字は、「全国各地それぞれの地域でスタイルが異なる
ので、大阪の方にとって東京の竹柴さんが書いたものは『あんなのは勘亭流じゃな
い!』というぐらい非なるものに映る。確かに僕も、京都南座の看板を見ると、
『あ、まったく違うな』と思いますね。なんとなく、東京のより可愛くて簡略化され
た感じがするんです。」
 寄席文字は、橘流の人が書いているので、全国どこでも同じで、勘亭流は地域に
よってスタイルが違うなんて、初めて知ることでありました。
 今回は鳥海さんの講座の前半部が掲載されているのですが、これで一番そうなんだ
と思ったのは、次のところ。
「『新聞書体』というのもあります。新聞を取っていない方、手を挙げてみてくださ
い。(約五分の四が挙手)多いですね。ニュースはネットで見ているのでしょうか。」
 神楽坂ブック倶楽部の鳥海さんの講座に参加される人ですから、出版とかデザイン
関係の方が多いのかと思いますが、新聞をとっていない(読んでいないのではないの
かもしれませんが)人の割合が80%というのは、驚くほかありません。
 USAでは大統領のおかげで新聞定期購読の方が増えたといいます。わが国も首相の
おかげで新聞を購読する人が増えたでしょうかね。