真空管の話題

 昨日にかって無線少年であった弟が立ち寄ってくれまして、近況と昔話と情報交換
を行いました。
 本の話では、最近、田中勝則さんが中村とうようさんについての本を、小さな版元
からだしたけど、知っているかといわれました。田中さんがどのような切り口で中村
とうようさんについて書いているのかわかりませんが、これはどこかで入手しなく
ては。(Amazonにはあるようですが、新刊についてはAmazonから買わないことにしま
しょうぞ。)

中村とうよう 音楽評論家の時代

中村とうよう 音楽評論家の時代

 弟は、古くからキューバ音楽の愛好家で、今から30数年前にキューバへと旅行して
音楽を楽しんできた強者。普通の市民がツアーで行けるようになった一回目に参加し
たのですが、その参加者の半数はキューバにはまった人ばかりとのことでした。
(最近よく放送される、こんなところに日本人という番組でキューバの回を見たら、
その時のツアーで一緒の人が、山奥に住み着いていることになっていたけど、普段は
ハバナで暮らしているんだよねというような話を。)
 彼は中学一年の時にアマチュア無線の免許を取得して、電波を出すよりも半田ごて
を持つほうが好きという無線少年でありました。ただ無器用なせいで、さっぱり無線
機などの自作にはたどりつかなかったようです。
 今もアマチュア無線の活動(電波をだすよりも、高齢の無線愛好家たちの団体のお世
話)をしていますが、そこには戦後まもなくから無線をしているような人もいて、無線
機や真空管アンプの修理はお手のものという方が多くおられるとのこと。
 そのせいもあって、弟は現在もLUXの真空管アンプ38FDを使い続けています。
メーカーに修理にだすととんでもなく高額になるのですが、お仲間にお願いをすると、
ほとんど実費で点検修理をしてくれるとのことです。このような方が身近にいなければ、
古い真空管アンプを使い続けることはできません。
 そういえば、当方も30年くらい前には真空管アンプをつかっていましたが、真空管
入手が難しくなってきたことと、ノイズが気になるのに、オーバーホールする元気も
なかったことから、ずっと押し入れにいれておりました。真空管のメインアンプを弟に
依頼してヤフオクにだしてみたところ、ずいぶんな値段で落としてもらい、代金を代行
してくれた弟と折半したことがありました。
熱心な真空管アンプのファンがいるのでありますね。
 とここまでは前置きです。かっての無線少年(少なくとも60代後半かな)に人気の小
説が柴田翔さんの「ロクタル管の話」であります。
弟と話をしていて、この小説のことを読みたいものと思いました。(柴田翔さん久しぶり
の作品を入手して、いまだほとんど読む事ができていないので、それにはずみをつける
ためでもありです。)
 この小説は、わが家のどこかにあるはずでありますが、すぐにはみつからないので、
外出したおりにブックオフで発見して入手です。
新装版 されどわれらが日々 (文春文庫)

新装版 されどわれらが日々 (文春文庫)

 「されど われらが日々」は当分読み返さなくてもいいのですが、さっそく「ロクタル
管の話」を読みましたです。真空管への愛あふれる作品で、アナログですが、好ましい
短編です。