新聞読書欄から

 このところ新聞読書欄を見ても、空振りが続いています。どうしてこんなにも気を
惹く本の紹介がないのかなと、思うことです。
 そういえば、豊崎社長の鮭児書店もしばらく目にしていなくて、あれは紙面の変更
にあわせて終わってしまったのかなと思っておりました。検索をかけてみましたら、
うれしいことに営業は続いているようで、7月初めの日曜書評欄にあることがわかり
ました。どこかでこれは見てみることにいたしましょう。
 本日手にした新聞の読書欄で取り上げられているもので、すこしひっかかったもの
をメモしておきましょう。
 まずは朝日新聞の「オススメ 編集部から」という欄にあったのは人文書院から刊
行がはじまった「津島佑子コレクション」でした。これがでていることは、「みすず」
7月号に掲載の人文書院広告で知っていましたが、女性編集者がこれをコンパクトに
紹介しています。このコレクションは「残された約40作品を、その文学に大きな影響
を与えた私生活の出来事にそって3テーマ(息子の死、母との関係、父・兄の死)に
分け、1から3期として構成」だそうです。1期分は全5巻とのことですから、首尾良く
3期までいければ、そこそこのコレクションになります。
 当方は津島さんの父のものには関心がなく、息子の死というところに反応したもので
すが、この欄でも言及されている「ジャッカ・ドフニ 夏の家」は、息子と北海道を
旅した時の話でありまして、当方は2016年にでた「群像 創刊70周年記念号」で読むこ
とができました。

 同じく朝日新聞池上冬樹が薦めるこの文庫には「フロスト始末」がありました。
翻訳がでるたびに話題となる「フロスト警部シリーズ」ですが、著者がなくなったこと
により、文字通りこれでおしまい。当方は前作まですべて購入しておりますが、いまだ
前作は読んでおらずでありまして、これは読むのがもったいないからでもあります。
この「始末」もそのうち買いますが、読むのは70歳になってからにしようかななんて、
フロストフリークには信じられないでしょうね。
いきつけの小さな本屋にも、これが何冊か積まれていましたし、せっかくだからその
本屋で買いましょうかな。