片付けをしていたら

 先日にBS放送でやっている古い時代劇ドラマを見ていましたら、それにでている役
者さんたちの若いことであります。これはいつ頃に放送されたものかと検索をかけて
みましたら、今から30年ほど前のものでした。そこにでていた役者さんは、つい最近
まで現役でドラマにでていたように思うとのことで、検索をしてみましたら、すでに
亡くなって20年ほども経っていました。
 当方の記憶のなかで、ちょっと前の出来事というのは、すでに十年以上も昔のこと
であることが多いようです。
 本日に片付けをしていましたら、岩波文庫創刊60年記念「図書 私の三冊」がでて
きました。先日に「岩波文庫創刊90年記念 私の三冊」のことを話題としたときに、
過去分はどこにあるだろうかと思ったのですが、どういうわけか、この「60年記念」
はあっさりとでてきました。
 当方にとって30年は一昔でありますが、それにしても、この三十年でずいぶんと
かわったことであります。1987年のアンケートに答えているのは三百人を超えると
いいますし、なんとなくですが、回答者の半数以上はなくなっているのかと思いま
す。
 どちらのアンケートも、それを元にして記念フェアが行われるのでありますが、
そのラインナップをつけあわせて見るのが面白しであります。
ちなみに60年記念の時に、10人以上の人があげているのは、次のようなものです。
  カラマーゾフの兄弟 12
  銀の匙       17
  ジャン・クリストフ 13
  福翁自伝      15
  プロテスタンティズムの倫理 10
  万葉集       11
 さて、これが90年記念ではと見てみましたら、「銀の匙」は姿を消していました。
これは意外であります。岩波文庫のアンケートで「銀の匙」は定番中の定番となっ
ていましたので、逆な配慮が働いたのかもしれません。カラマーゾフとジャン・クリ
ストフは各1、万葉集は3でありました。こうしたなか、福翁自伝とプロテスタン
ティズムの倫理は、今回も上位をキープしていて、なるほどなと思いました。