現代新書50周年 4

 新書といえば、岩波とか中公などからのものを思い出しますし、新書サイズとなりま
すとカッパブックスがありました。いまでは、このサイズでシリーズ化されで新書と
ネーミングされたものがたくさんありますが、いまから50年ほど前には、いまほど
このサイズのものは多くなかったようです。新書といえば岩波からでているものが
代表になりますが、中公も講談社も本のスタイルは、岩波新書と同じような作りであり
ます。これに対してカッパブックスは、サイズこそ新書と同じでありますが、使われて
いる用紙がすこしあついせいもあって、なんとなくぼてっとした感じとなっています。
このブックスという名称では、各社から小説などがでていたように思います。
あのみすず書房も、かっては「みすず・ぶっくす」ということで新書サイズのシリーズ
を刊行していました。(その一冊目は長谷川四郎さんの「随筆丹下左膳」です。)
 この新書サイズで、一番数多く眼にするのはコミックスとかノベルと冠されたものと
なりますが、ここまで話題はひろげません。
岩波新書に対し講談社らしい新書とは?講談社はもともと『少年倶楽部』『キング』
といった雑誌を通じて、広く大衆(民衆)とともに歩んできた出版社、だから『講談社
らしい新書』とは、インテリ層だけではなく、より広い読者を想定した教養新書では
ないか。そうした議論から生まれたのが、『刊行にあたって』なのです。」
「現代新書50周年」を記念しての冊子の扉には、上のように記されています。
 現代新書にも「刊行にあたって」という文章があることを、これをみてはじめて意識
しました。どれどれと思って現代新書を手にしてみましたら、なるほど巻末におかれて
いました。
 現代新書というのは、岩波新書を相当に意識したものであったのですね。まあ後発の
シリーズですから、老舗の新書を気にしないわけがないか。