本日の新聞から

 本日の朝日新聞夕刊「時代のしるし」には、川本三郎さんがインタビューに答えて。
自著「マイ・バック・ページ」について語っています。

マイ・バック・ページ - ある60年代の物語

マイ・バック・ページ - ある60年代の物語

「本に書いた当時を振り返るのは、いまでも正直、気が重い。若い頃の不名誉な話が
軸となっていますから。」といってから、話はつながっています。
 川本三郎さんが「朝日新聞社」を馘首となったのは、入社三年目「朝日ジャーナル
に異動して、担当した取材で知り合った男性が自衛隊に侵入して隊員を殺害したこと
に関わってのことでした。
 あのことがあって、川本さんは否応なしにフリーのライターとしてやっていかなく
てはいけなくなったのですが、その時に応援してくれた作家や元気であった出版界に
支えられたともありました。
 あの時代と一番違っているのは、時代が不寛容になっていることとあります。
「例えばいま、あの事件に関わっていたらどうでしょう。ネット社会で袋だたきに遭い、
再起不能だったかもしれない。いま、活字の世界でも名のある書き手が随分すさんだ
書き方をするなど他者への言葉遣いがとげとげしくなっている。一方で、政治家が
とんでもないことを言っても、内閣支持率は高いままです。このままみんなあきらめ
て、社会への理想主義は失われていくばかりなのでしょうか。」
 このインタビューの結語となります。
 そういえば、本日のニュースでは失言を重ねた大臣が辞職したとのことです。実際の
ところは辞職するようにせまった結果であるのでしょうが、罷免したというと任命責任
が厳しく問われるので、自らやめたように仕向けるということですね。
 ネットの世界では、思っていることをそのままいうと喝采を浴びたりするのですが、
共同体を維持していくためには、自制することが必要でありまして、本音で通じると
思っているのは、独裁者かとんでも人間でありましょう。
 それにしてもとんでもない人たちが世界を跋扈しすぎてはいないでしょうか。たがが
緩んでいるというよりも、たがが外れているという感じでありますね。