女性への期待 2

 昨日に清水真砂子さんの「幸福に驚く力」に収録の文章を話題としましたが、本日の
新聞読書欄に清水さんの寄稿がありました。これはタイミングがよろしいことで。
 清水さんは児童文学者で、翻訳家となります。翻訳を手掛けた一番有名な作品は「ゲ
ド戦記」でして、当方は読もう読もうと思いながら、いまだ読めていないのは残念なこ
とです。
 当方が清水真砂子さんに関心をもったのは、「青春の終わった日――ひとつの自伝」
という清水さんの本を手にしたことによります。
(  http://d.hatena.ne.jp/vzf12576/20130429 )

青春の終わった日――ひとつの自伝

青春の終わった日――ひとつの自伝

 これによって、清水さんが静岡大学高杉一郎さんの教え子さんであり、翻訳家と
して、今あるのも高杉先生のおかげとあるのです。学生時代に良い先生に出会うという
のは、とても幸運なことであるようです。
 最近はどうなのでありましょう。
 本日の清水さんの寄稿には、「学校がつらい時は」とタイトルがついていました。
ここで清水さんは、次の五冊をあげています。
ベーグル・チームの作戦 (岩波少年文庫)

ベーグル・チームの作戦 (岩波少年文庫)

きみは知らないほうがいい (文研じゅべにーる)

きみは知らないほうがいい (文研じゅべにーる)

おいぼれミック

おいぼれミック

センス・オブ・ワンダー

センス・オブ・ワンダー

 子どもの文学に求められる最低のモラルというのが、「幸福に驚く力」にでてきます。
「最低のモラルは『人生は生きるに値する』ということだと申し上げたい。・・・人生は
生きるに値するというのは、別の言葉でいいますと、子どもの文学というのは、『めでた
しめでたし』で終わらなくてはいけないということです。つまり、ハッピー・エンディン
グでなければいけない。なぜかというと、一生懸命生きたあげくに悲劇で終わったら、
子どもたちにとっては希望がなくなってしまうからです。」
 16歳で仲間と思っている人たちに殺されてしまう子どもや、20歳そこそこで親となっ
て子どもを殺してしまう若者、ほんとうに希望のないことですが、物語で人は生きる力を
得ることができるだろうか。